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いつものように、 座右の書ならぬ座右のウェブサイト「きょうは何の日」を 覗きましたら、10月24日に次のような項目がありました。
「1931年アメリカ・シカゴのギャング、 アル・カポネに有罪判決」
…そうしたらホレ、あれしかないでしょう。
アンタッチャブル The Untouchables 1987年アメリカ ブライアン・デ・パルマ監督
アメリカ禁酒法時代、財務省捜査官エリオット・ネスが、仲間とともに 悪の帝王アル・カポネを追いつめるという往年のTVシリーズを、 ブライアン・デ・パルマが絢爛豪華に映画化した、 非常に娯楽色の強い、「お腹一杯」アクションです。 (余談ですが、『アパートの鍵貸します』の中で、 電話交換手の女性がデートに誘われ、 『アンタッチャブル』が見たいから×だと断るシーンがありました)
ブレイク前のケビン・コスナーが、 清潔感たっぷりに正義漢のネス役を演じています。 テレビドラマでは独り身という設定だったようですが、 映画では妻子持ちで、 マフィアの抗争に子供が巻き込まれたことに胸を痛める市民感覚を、 「いかにもよき父、よき夫」のムードで醸し出していました。
彼を支えるのがショーン・コネリー(オスカー助演男優賞受賞)に アンディ・ガルシアときたもんです。 カポネを脱税容疑で挙げようというアイディアを出す税理士役は、 チャールズ・マーティン・スミス。 どうしても、リック・モラニスあたりとキャラが被りそうな御面相ですが、 監督作も多く、なかなか多彩な人のようで、 この映画でも、その憎めない個性を発揮していました。
で、アル・カポネになり切ってしまったのは、 元祖カメレオン俳優のロバート・デ・ニーロでした。 どうやらデ・パルマ監督とは旧知の間柄だったようですが、 楽しそうに悪役を演じている姿には貫祿を感じましたが、 当時まだ40代で、具体的にいえば、 今のトム・ハンクスやティム・ロビンスくらいの年齢だったかと……。 人間、30〜40代ともなると、本当に「個体差」が激しいなあと 改めて思います。 (ニコラス・ケージとキアヌー・リーブスとブラッド・ピットって、 おんなじ1964年生まれなんですよね…)
どうしても、それなりに凄惨なシーンは登場するし、 「大きなミスを小さなミスでごまかす」ような デ・パルマタッチも随所に見られるのですが、 そんなに悪い映画ではないと思います。
人間関係にヒューマンな温かさを感じさせるし、 時代背景を彩るアルマーニ提供の衣装あり、 エンリオ・モリコーネの音楽あり、 独特の香気を放つ、快作といっていい1本だと思います。 個人的には、 警察学校生アンディ・ガルシアの瑞々しさが印象に残ります。 射撃練習中のグレーのスウェット姿が本当にキュートでした。
ちなみに、脚本を担当したデビッド・マメットの名前は、 どちらかというと演劇がお好きな方で、 名前を御存じの方もいらっしゃるのでは? 三谷幸喜が尊敬する人の1人だそうです。 映画監督としても、 『スパニッシュ・プリズナー』などを撮っています。
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