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2001年10月05日(金) いつか晴れた日に

突然ですが、
ゆうべの「トップランナー」(NHK総合23:00〜)を
ごらんになった方いらっしゃいませんか?
私が大好きなラーメンズがゲストだったのですが、
彼らのコントで、1冊の本を交互に朗読し、
次第に相手に負けまいとして、とんでもない脚色を加えてしまう…
というのがありますが、
「お地蔵さんは、赤い前掛けをはずし、
ジャージに着替えてゴロゴロし始めました」
という片桐仁の朗読がツボにはまり、まだ思い出し笑いしています。

今日御紹介する映画は、とりあえず本の朗読のシーンが出てきて、
かつ、脚色が重要だった作品です。
(苦しいマクラで申し訳ありませんが)

1975年10月5日、
女優ケート・ウィンスレットがイギリスで生まれました。
(なんと!彼女はレオ君よりも年下だったのですね。
『タイタニック』では、彼のお姉ちゃんぽかったけれど)
体型を気にするハリウッドの女優たちに比べ、
いかにも「自然体」な彼女のふくよかさは、
時には口さがない人々にでぶ呼ばわりされるし、
実際、一時期しゃれにならない激太りをしたようですが、
旬の女優を見出すのがうまいLUXのCMに起用された経験もあり、
美貌と演技力を兼ね備えた女優であることは間違いありません。

いつか晴れた日に Sense and Sensibility
1995年アメリカ アン・リー監督


原作は、先日御紹介した『エマ』と同じくジェーン・オースティン、
(『分別と多感』という邦題が一般的なようです)
舞台はもちろんイギリスで、俳優はイギリス人だらけですが…
この映画、アメリカ資本なんですね。
ついでながら、監督のアン・リー(男性)は台湾出身です。

何事も分別をもって当たる長女(エマ・トンプソン)と、
ロマンチックな人間関係に憧れる次女(ケート・ウィンスレット)の
恋の行方を追った部分が物語の軸になっています。
つまり、『分別と多感』というタイトルそのままだったら、
長女と次女をタイトルロールといってもいいかもしれません。
(ちなみにこの下におしゃまな三女もいますが、余りにも幼過ぎて、
エマ・トンプソンの娘みたいに見えるのがアンマリでした)

英国の田園風景、カントリーハウスと呼びたい大邸宅の描写など、
目の保養になる美しい映画ではありますが、
恋というやつは、慎重過ぎても情熱的過ぎてもうまくいかないものだと、
改めて思い知らされる、ちょっと苦い作品でもあります。
その苦さは、ハッピーエンドといってもいい(かもしれない)ラストまで、
ずーっと余韻を残すものでした。
ヒュー・グラントが、
「恋のお相手としては退屈な人」の烙印をケートに押されてしまう役を
好演していました。
あれだけキレイな顔をしていると、現代人の感覚だと、
変に「おもしろい人」でも逆に引いてしまう気はしますが、
「美男子で、しかも本をドラマチックに朗読できるような紳士」が
素直に受け入れられていたのでしょうね。

「吐き気がするほど演技がうまい上に、脚色までやらかした」
才媛エマ・トンプソンにひけをとらない演技を見せたケートは、
この作品で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
エマ自身は、主演女優賞と脚色賞にノミネートされて、
結局は脚色賞の方を受賞しました。


ユリノキマリ |MAILHomePage