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今日6月4日は、語呂合わせで「虫の日」だそうです。 日本昆虫クラブが呼びかける「虫の日」と、 福島県・常葉町にあるカブトムシ自然王国が提唱する 「ムシの日」とあるそうですが、 別に2つの主張がぶつかっているわけではないでしょう……ね。 そこで、虫映画の決定版を。
ミクロコスモス Microcosmos 1996年フランス クロード・ニュリザニー/ マリー・プレンヌー監督・脚本・製作
ドキュメンタリーですが、 例えばヤコペッティ『世界残酷物語』で問題になったような、 やらせ演出は皆無と思われます。 何せ相手は「虫」たちですからね。
虫好きの我が長女によれば、 人間が好き勝手なナレーションでなぞっているだけで、 何か人間には意味がわからない「行為」をしているだけかも、 というようなシーンもあるのですが、 「朝の出勤前の人間と同じように、 身だしなみを整えるようなしぐさを見せる虫たち」の映像から、 心惹かれるシーンの連続ではあります。 虫が余りお好きでないという方にもぜひ見てほしい1本です。
日本語吹替版のナレーションを担当しているのは、 俳優の西村雅彦さんですが、 彼の話し方がちょっと……という方には、 オリジナルの字幕の方をお勧めします。 が、ジャケットに書かれている「壮絶滑稽むしむしバージョン」 という文句が与えるような軽薄な印象は余り受けません。 なかなか健闘なさっていると思います。
ビデオショップでは、子供向きのアニメに混じって 置かれている可能性も高いと思います(実写版ですが)。 泣く子も黙る「文部省特選(選定、ではなく)」映画です。 食物連鎖・生態系バランスにおける虫の位置づけを考えれば、 虫を扱った映画というだけで文部省(文科省)が反応したとしか 思えないのが悔しいところですが、 「ちょっと風変わりな俳優たちの計算のない演技」 を見ると思った方が楽しめると思います。
実は我が家には、このビデオ(吹替版)があるのですが、 虫好きの長女のために探したというわけではなくて、 偶然手に入ったものでした。 というのも、全国的フランチャイズでない古書と中古ビデオの ショップを覗いたら、見事に「成人向け」ばかりで、 これは我々のいる場所じゃないと思い、 さっさと出ようとしたときに、 本当に店の片隅で見つけた1本だったので。 980円という安さもあり、即決で買いました。 レンタルショップの払い下げというところでしょう。 厳密にいえば違法なのだと思いますが、 そういった事情とは関係なく、いつでも楽しく見ています。
感動というよりも、 新鮮な驚きを得られる映画を心が求めるときのため、 ぜひ頭の片隅に置いておいていただきたい好編です。
ところで、文中私は意識的に「昆虫」という言葉を 使いませんでした。 というのも、この映画に登場するのは、 昆虫の定義に該当するムシばかりでなく、 クモ、毛虫・芋虫のたぐいからカタツムリまで、 なかなかバラエティに富んでいたからです。 30種類弱の愛すべきキャラクターに御注目ください。
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