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2001年06月04日(月) ミクロコスモス

今日6月4日は、語呂合わせで「虫の日」だそうです。
日本昆虫クラブが呼びかける「虫の日」と、
福島県・常葉町にあるカブトムシ自然王国が提唱する
「ムシの日」とあるそうですが、
別に2つの主張がぶつかっているわけではないでしょう……ね。
そこで、虫映画の決定版を。

ミクロコスモス Microcosmos
1996年フランス クロード・ニュリザニー/
マリー・プレンヌー監督・脚本・製作


ドキュメンタリーですが、
例えばヤコペッティ『世界残酷物語』で問題になったような、
やらせ演出は皆無と思われます。
何せ相手は「虫」たちですからね。

虫好きの我が長女によれば、
人間が好き勝手なナレーションでなぞっているだけで、
何か人間には意味がわからない「行為」をしているだけかも、
というようなシーンもあるのですが、
「朝の出勤前の人間と同じように、
身だしなみを整えるようなしぐさを見せる虫たち」の映像から、
心惹かれるシーンの連続ではあります。
虫が余りお好きでないという方にもぜひ見てほしい1本です。

日本語吹替版のナレーションを担当しているのは、
俳優の西村雅彦さんですが、
彼の話し方がちょっと……という方には、
オリジナルの字幕の方をお勧めします。
が、ジャケットに書かれている「壮絶滑稽むしむしバージョン」
という文句が与えるような軽薄な印象は余り受けません。
なかなか健闘なさっていると思います。

ビデオショップでは、子供向きのアニメに混じって
置かれている可能性も高いと思います(実写版ですが)。
泣く子も黙る「文部省特選(選定、ではなく)」映画です。
食物連鎖・生態系バランスにおける虫の位置づけを考えれば、
虫を扱った映画というだけで文部省(文科省)が反応したとしか
思えないのが悔しいところですが、
「ちょっと風変わりな俳優たちの計算のない演技」
を見ると思った方が楽しめると思います。

実は我が家には、このビデオ(吹替版)があるのですが、
虫好きの長女のために探したというわけではなくて、
偶然手に入ったものでした。
というのも、全国的フランチャイズでない古書と中古ビデオの
ショップを覗いたら、見事に「成人向け」ばかりで、
これは我々のいる場所じゃないと思い、
さっさと出ようとしたときに、
本当に店の片隅で見つけた1本だったので。
980円という安さもあり、即決で買いました。
レンタルショップの払い下げというところでしょう。
厳密にいえば違法なのだと思いますが、
そういった事情とは関係なく、いつでも楽しく見ています。

感動というよりも、
新鮮な驚きを得られる映画を心が求めるときのため、
ぜひ頭の片隅に置いておいていただきたい好編です。

ところで、文中私は意識的に「昆虫」という言葉を
使いませんでした。
というのも、この映画に登場するのは、
昆虫の定義に該当するムシばかりでなく、
クモ、毛虫・芋虫のたぐいからカタツムリまで、
なかなかバラエティに富んでいたからです。
30種類弱の愛すべきキャラクターに御注目ください。


ユリノキマリ |MAILHomePage