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今まで取り上げた映画のタイトルを見ると、 自分で思っていたよりも、 世間的に「コメディー」として認識されている作品が 少ないことに気づきました。 もちろん、どんなジャンルにせよ、必ずどこか笑えるような、 コミカルなところのある作品が好きなのですが、 ビデオショップで「コメディー」に分類されていそうな作品となると、 そうたくさんはないのでした。
今日御紹介する作品は、1889年4月16日生まれの、 「コメディーの王様」という見方をするセクトも存在するであろう、 1人の「偉人」がつくった映画です。
街の灯 City Lights 1931年アメリカ チャールズ・チャップリン監督
サイレント期の傑作の1本ですね。 相手役のバージニア・チェリルも可憐でした。 「幸運のウサギの足」が出てきたのは、 この映画だったでしょうか?
そうなの!好きになったら、その人のお役に立ちたいの。 傍から見ると、何もそこまでってことまでしちゃう。
お酒の上でのヨタ話は、過信しちゃだめなんだよー。 あ〜あ、言わんこっちゃない。 ……でもまあ、あのO.ヘンリーだって、 投獄経験があるわけだし。
そうか。彼女、手術うまくいったんだね。 え?その表情(かお)はどういう意味? なになになに〜 なんなのぉー。
と、私はこの映画をビデオで見たので、 かように突っ込みながら堪能しました。 もともと独り言の多いたちですが、 ビデオを見ているときのソレはまた格別です。
大ざっぱに言えば、盲目の娘に恋したチャップリンが、 彼女を助けたい一心で東奔西走し、 ひょんなことで酒を酌み交わし、意気投合した……はずの 金持ちに裏切られ、警察の御厄介になったりする、 なかなかにぎやかなストーリーです。 何とか手術費用ができ、娘は目が見えるようになるのですが、 自分を助けた男を立派な紳士だと信じていたら、 浮浪者も同然のチャップリンの手を握って、 この人が私を……?と気づくというストーリーです。
このラストシーンの感動が 映画史上語り継がれているわけですが、 私の頭は「?」でいっぱいになりました。 だって、バージニア・チェリルの表情が、私には、 どうしても落胆しているようにしか見えないのです。 サイレントなので、 せりふではなく「You?」という飾り文字の字幕が 出てくるだけなのですが、 同じ「あなたなの?」でも、 その前に「え〜っ」がつきそうな感じです。
百歩譲って、 ただただV.チェリルが感極まっていただけとしても、 とにかく、彼女が自分の恩人を知り得たのは、 手の感触によるものでした。 みすぼらしいチャップリンの姿を、 働いている店の中から見た彼女は、 ガラス越しに、「あの人、私に気があるのよ」と、 せせら笑うような調子で言いました。 ちょっとした同情からチャップリンに手渡した花が、 手の感触を確認させたわけですが、 少なくとも、このシーンを見ていると、 彼女が急にチャップリンという人を「見直す」というのは、 どうも考えにくい気がしました。
私はひょっとして、 とことん性格がひねくれているのでしょうか。
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