気ままな日記
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『○○様方横のゴミ収集所をご利用の皆様へ』で始まる回覧が回ってきたのは、一月程前のことである。 週三回のゴミ収集日。各家から出された家庭ゴミの袋がきちんと縛られていなかったり、上を覆う網の中に入れられていないものだから、収集車が来る時刻(これがまたすごく遅くて、たいてい午後3時頃なのであるが)には、カラスや猫が散々突っつき回して、そこいらじゅうが惨憺たる状態。最近までは、近所の方が掃除をしてくれていたが、限界に達したので、各家庭で持ち回りで掃除当番をしましょう、というお知らせである。 この意見にご賛同くだされば、次の順番でさっそく当番を始めたいと思います、と有無を言わさぬ勢い。賛同もなにも、すでに順番まで決まっている。 その週の終りには、当番の方が、「当番を終えてみて」と称した、日誌兼感想を書いて、各家庭に回すのである。 この日誌兼感想文が怖い。 「袋の口を縛っていない袋があって、中にかくかくしかじかの物がはいっていました。やはり、ごみの出し方に問題のある方がいらっしゃるようです」という、さりげなく嫌味な文章はまだ序の口で、 「朝、ベージュ系のコートを着て、ブーツをはいた女性が、網の中にゴミを入れずに投げ込んで行ったのを、主人が発見しました。すぐに、わたくしが、ごみを網の中に戻し、大事には至りませんでした」 などという記述もある。 多分出勤途中だったんだろうな、この女性。と一瞬我が身を振り返って、ぎょっとしたものの、そういえばわたしは、ブーツはいてないし、コートもベージュ系じゃないし、とひとまず安堵。 大事に至らなかったって、そりゃちょっと大げさなんじゃないか???
今週はわたしの家が当番である。 当然の成り行きとして、お役目は一日中家にいる母だ。 重石のペットボトルも奇麗なものに取り換えたし、と朝から張り切っている。(ように見える) 嫌味な文章に腹を立てていた彼女であったが、例の投げ込み女性によるものか、網の外に転がされたゴミ袋を発見したらしく、 「朝ずっと外に立って見張っていようかしら!」 と、今度はその見知らぬ女性にご立腹。 高齢化の影響で、一日中家に誰かが在宅している家が多くなった、我がご近所。暇つぶしでもないだろうが、ゴミを捨てに来る人を監視し、マナーの悪い袋の中をごそごそ漁って、どこの家から出たものかを突き止めようとする人も、そのうち出てくるのではないか。 「隣は何する人ぞ」と、つきあいのほとんどないご近所同士で、こういうかかわりあいだけが生まれると、情け容赦のない、ぎすぎすした雰囲気になりそうである。
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