「君の目の前に、君が現れたら君はどうするの?」
だなんて
想像するのは不可能だ。
此れがもう一つ在ったら、多分躊躇わず首を絞めてる。

電話帳で見つけた病院
軽く症状説明した所で
「君は病気じゃないよ」だなんていった医者
唇歪ませて
「今まで行った場所、表面だけを撫でてたんでしょ」だなんて哂った
そんな医者を
信用できないのは
あたしだけだろうか

原因はもっと深い、小さい頃にあるのだと
癖みたいなもの、だと
全てに理由をつけるのは自分を守るため、だと
言うのは、当たっていると、思う

けれども
人の話を聞かない人を
でも、で全部打ち消す人を
あたしは信用できない
傷さらけ出してどうしたらいいなんて訊ねられない

自分がマトモでないのも知ってる
信用できない、が顔に出るのも知ってる
それでも
「ここで治療する気あるの?」
と訊ねられた瞬間
ああ、駄目だと思った

対処療法でも構わない
そもそも切って治せる場所じゃない
薬でセニトロンその他諸々を抑えて
自己治癒の手助けをする、だけ

これが癖だとしたら
生来のものだとしたら
薬でも治らないのだとしたら

それが、どうというのだろう

あたしはあたしで
此れは他の誰にも渡さない渡せない唯一で
それを
あたしが信じなければ
他の誰が信じれるというのだろう

頭の中の自分と本当の自分
いわゆるインナーチャイルドとかいうアレ
そんなもの
そんなもの、もう、知らない

「君の目の前に、君が現れたら君はどうするの?」
医者は口の端を歪めて哂った
その質問に答えを返さなかったのは
理解されないということを知っているから
「ありえない」ということを知っているから
代替物の更なる複製なんか、在るハズが無い

病気ではなくて生来なら
本格的に
あたしは欠陥品だったのだろう

それでも
壊れながら歪みながら
生きていける
そのことを
知っている
2009年04月17日(金)

AGO。 / 走馬真人

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