終わらない連鎖

悪循環が蟠っている

母親の機嫌がもう随分と悪い
息を殺しても
眉間にできたクレバスは消えない

理由は弟と祖母、時々あたし
祖母の発言に届かない悪態を吐いて
弟の態度に幾度も溜息を吐いて

やり方が、あるのに
母親はそれを省いて
どんどん機嫌を傾ける
それを肌で感じて
子供達は二階に逃げて
下には母親と祖母だけで
ますます機嫌が悪くなる

余計なことを、と
邪魔だよな、と
憎々しげに吐いた母親は
きっとあたしと同じ顔


日中ずっと祖母といると
何度もお茶を勧められる
それしかやることがないんだって
笑った顔は酷く悲しかった

弟がパソコンの前から離れないのは
それが魅力的な箱だからで
やらなきゃいけないことの理由を言わず
「やりなさい」とだけ言うのを駄目といえば
「じゃあどうしたらいいの」と叫ぶ

そちら側の痛みは分からない
そちら側の苦痛は分からない
ただ
ゆっくり喋れば年を経た耳に言葉は届くのに
どうしてそう思うのかを言えば重い腰はあがるのに
あの人は、それをしない。

それじゃ駄目だって
言ったって言葉は通じない
あたしがあの人を嫌ったように
あの人も自身の母親を嫌う

終わらない連鎖
あたしは断ち切りたいよ
2009年04月15日(水)

AGO。 / 走馬真人

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