神沢利子・文 栗林 慧・写真
かがくのとも2002年6月号(福音館書店) __________________________________
6月に入り、そろそろホタルの季節です。
毎年、この時期になると少し早めに夕食を済ませて、
自転車に乗って、ホタル狩りに出かけます。
私が子どもの頃は、ちょっとそこらの川へ行けば、
どこにでもホタルはいましたので、
本当にホタルを網で取って、虫かごに入れて連れて帰り、
蚊帳の中に放って寝たようなことがありましたっけ・・・。
(要するに、田舎育ち・・・。)
今はもう、「ホタル狩り」と言っても、
実際にホタルを狩ることはないですよね・・・。
ホタルのぽうっと光るさまを楽しんで、満足して帰ってきます。
それでも、娘にしてみたら、とても印象的な出来事らしく、
ホタルを見に行った場所を自転車で通りすぎるたびに、
「ここに、ホタルさんいたよね〜」と、
ニッコリしながら言ってくれます。
この本は、ホタルの一生を、写真でずっと追っていきます。
ホタルの卵って、暗い夜に、うっすら光って見えるのですねぇ・・・。
ホタルは卵から孵って、水中→地中→地上と、
3度も自分の住む場所を移していきます。
なんだかそのことに、とても感動してしまったのでした。
娘は、ホタルのオスがしんでしまうということが、
とても気になったようで、
「どうして、ホタルさんは死んでしまうの?」と
何度もたずねてきました。
「ホタルさん、自分のお仕事を終えると、死んじゃうんだよ」って
こたえるのですが、
娘は「ふ〜ん」と言いながらも、納得してない様子。
ホタルって、成虫になるまでは地味ですが、
成虫になったとたん、美しく輝いて、
そして次世代の命の種を残して死んでいく、
とてもはかないいきものですね・・・。
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