宮沢賢治・作 黒井健・絵
ミキハウスの絵本 __________________________________
宮沢賢治の童話に、黒井健さんが絵をつけた絵本です。
(「新校本 宮沢賢治全集」(筑摩書房)を底本としています。)
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黒井健さんの絵によるイーハトーブ詩画集「雲の信号」(偕成社)を
去年の自分の誕生日に買いました。
「雲の信号」は宮沢賢治の詩の中で、空や雲に関するものが
集められています。
黒井健さんは、10年ほど前に宮沢賢治に惹かれ、
春夏秋冬、岩手県をめぐり歩いたそうです。
私も一度だけ、冬の岩手へ参りました。
岩手山の雄大な姿・・・その姿にぼぅ〜っと見とれたのを
覚えています。
さて、お話を「水仙月の四日」にもどしましょう。
宮沢賢治の童話には、惹かれるものを感じつつ、
なんとなく難解な気もして、ついつい構えてしまいます。
この絵本は、黒井健さんの絵に惹かれて、手にとってみました。
黒井さんの絵のイメージが助けてくれるからか、
お話の中にすぅっと入っていけました。
(あ、読んだのは私だけ。娘は絵を見ただけです・・・。)
物語の入口、少し墨絵のような色合いの山の景色は
これからはじまる「水仙月の四日」を予感させます。
そして「水仙月の四日」は、はげしい嵐にもかかわらず、
雪童子の視点からかかれているからでしょうか、
どこか幻想的なショーのようです。
・・・「水仙月の四日」が過ぎ去り、桔梗色の天球に
星座がまたたいているシーンが、
東北の冬の夜空へと誘ってくれて、私の好きなページです。
「水仙月の四日」はいろんな方が挿し絵を描かれていますので、
自分のイメージにあった方の本を選ぶというのも、
また楽しみのひとつかもしれません。
ところで、ミキハウスのこのサイズの絵本、
なかなか個性的な画家たちがそろっていて、好きなんです。
我が家には東逸子さんの絵の「シンデレラ」と
牧野鈴子さんの絵の「ねむりひめ」がありますが、
どちらも娘のお宝本です。
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