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2012年02月16日(木) 「ドラゴン・タトゥーの女」


私は原作未読でオリジナルのスウェーデン版も観てませんが、面白かった!ていうかまずオープニングのスタイリッシュぶりにしびれたわー。なんなのあれ超かっこいいよ!むしろこの映画はオープニングこそがメインで残りの150分は単なるオマケなのではなかろうか。と、半ば本気で思ってしまうくらいのインパクト。いやでも本編の方も面白かったです。予備知識ゼロでもちゃんと理解できる作りになってたし緊張感が絶妙に続くので二時間半があっという間。雪混じりの寒々しい映像もいかにもフィンチャーって感じだし、これリメイクに当たって舞台をアメリカに移したりしなくて正解だったと思う。

窮地に陥ったジャーナリストのミカエルが奇抜で孤独な天才ハッカー・リスベットと組んで40年前の未解決少女失踪事件を調査する…というのが大筋のストーリー。フィンチャーで猟奇殺人の話と聞いていたのでもっとサイコで難解でグログロしいものをイメージしてたんですが(一体フィンチャーを何だと思っているのだ)、予想してたよりずっととっつきやすい映画だったなあというのが率直な感想です(※目を背けたくなるようなシーンはいくつかあります要注意)。特にメインの40年前の事件というのがまた、閉ざされた孤島、クセのある富豪一族、少女が残した不可解なメモ、旧約聖書との関わり…等々、日本だったら横溝正史ですか?って感じの古典的要素満載で個人的に大変ツボでした。それに加えてミカエルの事情やリスベットの生活、そして二人が一緒に調査をすることになるまでの過程がテンポよく描かれるので、ほんと目を離す暇がない。多層的に面白いっていうか。
リスベットというキャラクターは評判通りかなり奇抜で、ヒロインとしては珍しいタイプだった。ピアスだらけの顔にガリガリの身体、ほとんど喋らず常に周囲に敵意むき出し。成人しても後見人がついているような生い立ちだが天才的なハッカーで情報収集能力や記憶力はずば抜けている、という。今回リスベットの過去についてはあまり明らかにされなかったけど、とりあえず人間不信でとことん孤独なんだってことは伝わってきた。ミカエルと初めて体の関係を持つシーンがあまりに唐突でスクリーンの中のミカエルと一緒に私も当惑したんですが、後から思うにリスベット的には狙われて怪我をして動揺しているミカエルを慰める&落ち着かせる&いたわるのにああいう方法しかわからなかったんだろうなあ。それくらいの孤独。つか全然関係ないけどモザイクかかったベッドシーンて久々に見た気が…(笑)
だからこそラストはとても切ないです。ミカエルに対するリスベットの想いって恋愛感情とも微妙に違うし父親像を重ねてるわけでもないし、なんていうか「信頼できる存在」みたいなものだと思う。それでも事件が終わってしまえば接点はなく、彼には帰る場所があるけど自分は一人。改めて己の孤独を思い知って一直線に走り去るリスベットが痛々しい。バイクの音まで痛々しい。

主演のダニエル・クレイグも普通に良かったけどリスベットを体当たりで熱演した(役柄的にはクールな演技ですが)ルーニ・マーラがやっぱり印象深いです。あと先日「人生はビギナーズ」で見たばかりのクリストファー・プラマーがこっちにも出てました。
それからジュリアン・サンズがちょい役すぎて泣いた(T-T)。スクリーンで見るの久々なのに…!予告にも出てたくらいだからもう少し出番があると思ってたよ!(笑) せめて一言でも声が聞きたかった…(ああいう役だから仕方がないけどね!)



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ドラゴン・タトゥーの女
【THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO】

2011年 アメリカ / 日本公開 2012年
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、
クリストファー・プラマー、ロビン・ライト
(劇場鑑賞)


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