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やー楽しかったー!テンポが良くてわかりやすくてとことんエンターテイメント。ちょっと疲れてる時でも難しいこと考えずに観てられて、終わったら元気をもらえるような。こういう映画があるからハリウッドって好きよ(笑)。
ちょっと太めの女の子が夢を実現させるサクセスストーリーかと思っていたんだけど、メインテーマは人種差別問題。しかし決して重苦しい雰囲気にはならず、主人公トレイシーの天真爛漫っぷりでストーリーはあくまで明るく展開されてゆきます。ただ純粋にダンスが好きで体型なんか気にせずオーディションに出向いたり、臆せず黒人グループの中に入っていって「そのステップ素敵だわ!もう一度見せて!」と瞳を輝かせるトレイシーの姿は(ちょっと単純すぎますが・笑)見ていて実に気持ちがいい。彼女は白人なんだけど人よりぽっちゃりした体型で、つまり一種のマイノリティなのね。舞台は60年代ボルチモア、理不尽な差別が露骨に存在しスリムな白人こそが美しいという固定観念が横行している時代、そんな中で「人と違う」ことを恥じる必要はない、それは個性なんだという(当時の)新しい価値観を高らかに謳い(&歌い)上げる。新時代への健全な希望、というのかな、これは混迷した現代から振り返る過去回顧と受け取れなくもないような気がします。苦しかったけどあの頃はよかったよね的な。ちょっと日本人にとっての三丁目の夕日みたいな。(それは飛躍しすぎ)
主役トレイシーを演じたニッキー・ブロンスキーはとってもキュートで、心から楽しそうに歌ったり踊ったりするところが何より最高でした。ビッグママのトラボルタもすごいインパクトだったよ。クリストファー・ウォーケンとのラブラブっぷりは可笑しいやら凄まじいやら、庭で二人でダンスするシーンなんてこれトラボルタとウォーケンなのよね…!と思うとなにかとてつもなく貴重な光景を見てしまった気分(笑)。いやはや異色の夫婦でした。 あとクイーン・ラティファの貫禄はさすがだし(聴かせる。聴き惚れる!)、ショーの司会者コーニー・コリンズの存在感も気持ちよかった!ミス・ヘアスプレーに選ばれた彼女も歌が上手くてすごく可愛かったし、そういえばトレイシーの親友ペニー、彼女も後半思いがけず素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたのでびっくり。悪役のミシェル・ファイファーもイヤミな感じでGOOD、それとリンク役のザック・エフロン君、彼はウィンクがとても素敵でした。なんていうの、こう、ちゃんと60年代のウィンクなのよ!(笑) 甘いマスクで流し目送って素早くパチッ!て。脇役が生きてるところもこの映画の魅力だと思います。 それから音楽も良かった!今までミュージカル映画って「わーすごいなぁ」と思いながら呆然と見ているだけのものが多かったけど、これは自分も一緒に踊り出したくなる感じ。とにかく最初から最後までハイテンションでパワー溢れる作品でした。もう一回くらい劇場で観ておきたかったです。
****** ヘアスプレー 【HAIRSPRAY】
2007年 アメリカ / 日本公開 2007年 監督:アダム・シャンクマン 出演:ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラヴォルタ、 クリストファー・ウォーケン、ミシェル・ファイファー (劇場鑑賞)
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