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2007年11月01日(木) 「グッド・シェパード」

マット・デイモンは最近なんだかCIAづいてますなあ。しかしジェイソン・ボーンシリーズと違ってこちらはアクション無しのシリアスドラマであります。第二次大戦から冷戦時代を舞台に、CIA誕生秘話を一人の男の半生と共に描く。スパイの話だけど派手なアクションは皆無、ストーリーは複雑に込み入っていて登場人物は多いし時間軸も頻繁に行ったり来たりするし(これはサスペンス部分を盛り上げるための演出なのかな)、その上暗いし単調だし、何より上映時間が長い(167分)。お気楽エンターテイメント好きの私にはついていくのになかなか根気がいる作品でしたが、でもこういう映画って男の人が好きなんじゃないかしら。こう、ゴッドファーザーみたいな雰囲気というか(内容はまったく違うけど)。自分を殺し、時代を読みながら、常に駆け引きだらけの頭脳戦。本来の諜報活動って地味で険しいものなのでしょう。007やジェイソン・ボーンみたいなのはそれこそ映画の世界の話よね(笑)。
CIAの成り立ちとか活動内容とか興味深い部分は色々ありました。特に思ったのは、私CIAというと敵の組織に潜入して情報を集めるのがメインみたいなイメージがあったんだけど、ほんとに重要なのは情報の「操作」なんだなと。プロパガンダと言ってもいい。元KGB士官がLSDを投与されて「おまえらアメリカは本当はソ連なんか恐れていない。脅威ということにしておきたいだけなんだ」と喋るくだりなどは実に印象深かったです。(取り調べ役のジョン・タトゥーロがまた上手いんだ)

しかし。しかしどうしても主人公のマット・デイモンに違和感が!
自分を殺してアメリカのために生きる寡黙な男の悲哀(?)みたいなものが感じられないというか、「ディパーテッド」の時も思ったんだけど、なんていうかあまり苦悩しているように見えないのよね…(ごめんマット…)
そして何よりベストオブ違和感だった点は、老けないこと。学生時代からおよそ20年間くらいに渡る物語なんですが、後半のマットはとても成人した息子がいるような年齢に見えないのよ…(笑)。これは妻役のアンジェリーナ・ジョリーにも言えるかもしれません。
そもそも主人公のエドワードがあまり魅力的に思えなくて、だって結婚したのもあれ一種の成り行きだし!(笑) 切れ者であることは認めるけどどちらかというと流されるまま生きてる人みたいで、それで組織との板挟みになって家族を犠牲にする苦しみとか言われてもなあ…。父親との過去に裏打ちされた息子への思いとか、設定的には面白いところもあったんですが…

結論:マット・デイモンはやっぱりオーシャンズ系の弟キャラが似合うと思う。私はそっちの方が好きよ!
ボーン・アルティメイタムに期待します。(まだ観てない)



******
グッド・シェパード
【THE GOOD SHEPHERD】

2006年 アメリカ / 日本公開 2007年
監督:ロバート・デ・ニーロ
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、
アレック・ボールドウィン、ジョン・タートゥーロ
(劇場鑑賞)


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