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新宿で公開されてる時から観たい観たいと思いつつ結局行けないままだった本作、来てくれましたよ新橋に!もう喜び勇んで駆けつけました。ありがとう新橋文化劇場。大好きだ。女性はいつでも700円という信じがたい価格破壊の二番館、いかがわしさも都内一(コラ)。今度はぜひ「テッセラクト」あたりお願いします(これも見逃した)。
※ 以下内容に触れてるのでこれから鑑賞予定の方は読まないで下さい。
こういう映画は何書いてもネタバレに繋がるようで説明が難しいんだけど、とりあえず主演のライアン・フィリップが病院のベッドで目を覚ますところから本編スタート。彼はどうやら過去二年間の記憶を失っているらしく状況をまったく理解できてません。今が2002年だという医者の言葉も信じられない。それで不安定な精神状態のままMRI検査を受けてたらいきなり奇妙な男の幻影に襲われて、必死の抵抗の果てにハッと我に返るとなぜか今度は二年前(2000年)の同じ病院にワープ。そうかさっきのは夢だったんだ、この2000年こそが本当の現実なんだ、…と思ったのも束の間、彼はそれから自分の意志とは無関係に2000年と2002年を何度も行き来することになるのでした。繰り返し繰り返し「リプレイ」する。そうして時折よみがえる記憶の断片を拾い合わせながら、自分に何が起こったのか探ってゆきます。
ざっくりジャンル分けしちゃえばサスペンスということになりますが、主人公が過去(2000年)に戻った時に起こした行動が現在(2002年)にも影響してきたりしてちょっとSFっぽい感じも面白い。さらに全体的には心理ホラーとして仕上がっているので一粒で二度三度美味しい印象がありました。私こういうの好きだなあー。オチがズルイよ!という意見もあるかと思いますが(笑)、私はオチそのものよりそこに至る過程の方が大事だと思う。ラストのどんでん返しに頼る作品よりも観てる間中ハラハラできる映画の方が楽しいじゃないですか。その点この映画は優秀で、悪夢が延々無限ループしてるような緊迫した閉塞感が見事だった。観客には主人公と同じ視点しか与えられてないので何がなんだかわからない当惑感も味わえます。ところどころに意味ありげなセリフがちりばめられていて、なんか観終わった後にもう一回確認したい事項が結構あるなあ。これ「“アイデンティティー”」の脚本家が書いた舞台劇を映画化したんだそうですね。なるほど納得。あれが大丈夫な人はこの映画もきっと楽しめるんじゃないかな(私はむしろこっちが好きだ)。ところでこの原題は激しくネタバレだと思うのですがいかがでしょう(笑)。邦題の「Re:プレイ」の方がタイトルとして気が利いてると思うぞ。
主演のかわいいライアン・フィリップたんも好きですが、なにげに兄役でロバート・ショーン・レナードが出てたのですごい嬉しかったです。顔見たの久しぶりー。「テープ」以来かな。あとこれまた久しぶりのスティーブン・レイなんかも出ていてさすがの胡散臭さでした。面白かったー。公式サイトは→こちら!
****** Re:プレイ 【THE I INSIDE】
2003年 アメリカ / 日本公開:2004年 監督:ローランド・ズゾ・リヒター 出演:ライアン・フィリップ、スティーブン・レイ、パイパー・ペラーボ、 サラ・ポーリー、ロバート・ショーン・レナード (劇場鑑賞)
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