INDEX|←back|next→
フランス映画は年に一本観るか観ないかという私が今年はこんな年頭からいそいそと映画館にまで赴いてしまいました。自分で驚き! ま、そうは言っても相変わらず動機は不純なわけでして、このたびのわたくしの 餌食 いえ、お目当ては、フランスの若手新鋭・ギャスパー・ウリエル君でございます。ちょっと前から新聞とかあちこちで見かけて気になっていたんですのよ〜ビバ美少年〜♪ ウリエルって名前からしてなんかかわいくない?ウリ坊だよウリ坊。
それで映画の方は、子連れの未亡人と謎めいた青年の刹那の愛を描いたドラマです。ウリエル君は、登場するなりいきなり天下のエマニュエル・ベアールに向かって「口のきき方に気を付けろ!」とか凄んだりしちゃって、むしろお前が気を付けろって感じなんですけど、そんな虚勢の裏にもそれなりの理由があるという、ワイルドだけどもちょっと悲しい役どころを演じております。一方のベアールは、夫の死と戦禍の混乱で精神的に不安定気味な未亡人。落ち着いて理性的であろうと振る舞っているものの端から見るとイライラが隠せてないって感じがよく出ていて、非常に好演でした。そんな彼等が出会って、戦火に追われるままに森の奥へ奥へと逃げ込んでゆく。
まあ正直言うと、ストーリー自体は特にインパクトのあるものではなかったかな。もっと年下恋愛要素満載かと思っていたんだけど(それは個人的嗜好による思いこみ)、そもそもこの二人の関係って恋愛と言えるかどうかちょっとあやしい。白日夢のような森の中での、戦争という過酷な現実からの一瞬の逃避、そんな印象を受けました。森の中の風景は本当にとても綺麗だった。 それからインパクトといえばやっぱあれだよ、ウリエル君のあの下着(笑)。だってあの色。ちょっと「リプリー」におけるマット・デイモンの水着を見た時の衝撃と甲乙つけがたいものがあります。あと、劇中でもそういう設定ではあるんだけども、この子はたぶん、本当に左利きですね。そんなところもツボでした(<左利きマニア)。
ということですっかりウリ坊の話に終始してしまいましたが実際どんな人かは→公式サイトでご覧いただけます。特集ページもあるんだよ〜。ちなみに私は「Pen」と「FIGARO」の写真がお気に入り。本作では坊主頭の野生児だったけど髪をもっとうざったくのばして今風のスーツを着せたら似合いそうな気がするので今度はそういう役も見てみたいでーす。
****** かげろう 【STRAYED】
2003年 フランス / 日本公開 2004年 監督:アンドレ・テシネ 出演:エマニュエル・ベアール、ギャスパー・ウリエル (劇場鑑賞)
|