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まだレイフ・ファインズのことなんて全然何とも思ってなかった去年の秋頃銀座で公開された時には完っ全にアウトオブ眼中(死語)だったこの作品、今回再上映されてると聞いて(kaiさんみぃ♪さん情報ありがとうございました)大喜びで三軒茶屋シネマに駆けつけましたのです。渋谷とか三茶とか下北とか東京の向こうの方(どこだよ)って実は苦手で滅多に出かけないくせに、レイフが絡むと俄然アクティブになってしまうわ・た・し。ああ恋のチカラってすごい! それで勢い余って二件先の別の映画館に入りそうになってしまったことは内緒ですけどね。あやうく「ウェイキング・ライフ」を観てしまうところでしたよ。落ち着け!落ち着いていこうぜ私!
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たいへん壮大な映画でした。激動のハンガリーを生きたあるユダヤ人家族の物語。第一次大戦前の20世紀初頭から第二次大戦を経て'56年のハンガリー動乱まで、100年にわたる一族の様子が三世代の男たちを通して描かれます。上映時間はたっぷり3時間。でも全然飽きなかった。とても丁寧に作られていて見応えあります。 普通に真面目に生きている一家が歴史に翻弄されてゆくさまが見事に描かれていて、彼等は、ある時は幸福の絶頂にあり、しかし理不尽に迫害もされ、同化し、妥協し、反発し、時に加害者にもなる。初代イグナツは改名、二代目アダムは改宗、時勢を見据えて民族としての誇りに触れる決断を下してきた先代の血をを受けつぎ、では、語り手である三代目イヴァンはどう生きるのか? ラストが近づくと、彼は苦悩の末に叫びます。「僕は誰なんだ!?」 この映画の素晴らしいところは、あるユダヤ人一家のお話でありながら、どこか民族を超えた普遍的なアイデンティティの問題に訴える仕上がりにもなっていること。計らずも時代の流れに巻き込まれた人々の姿というものを上手く演出していて、アジアの島国でぼんやり育った私が観ても非常に胸に響くものがありました。一族を静かに見つめてきた女性ヴァレリーの台詞がまた心に染みます。もちろん“ハンガリー(に生きたユダヤ人)の20世紀”という側面で史実的に学ぶところも大きい作品でありますよ。
そしてレイフ・ファインズ様熱演。チラシの裏面に「レイフ・ファインズが演じる渾身の大作」とか書いてあるけどまったくもってその通り。レイフたん呼ばわりしてごめんね! わたくし本日は敬意を込めてレイフ様と呼ばせて頂きます。 んでレイフ様がその三世代の男を三役やってるわけですが、単に三人を演じ分けるということだけでなく、各人の青年期から壮年期までをも見事にこなしてるというところがすごいと思いました。もうね、知的だったりスポーツマンだったり軍服着たり泣いたり笑ったり怒ったり(激昂してる姿って珍しくない?)、あらゆるレイフ様が拝めるのでファンとしちゃウハウハですよ。それに三代それぞれが道ならぬ恋に身を投じてしまうあたりはレイフ様本領発揮とでも申しましょうか、特に婚約者がいようと何だろうとお構いなしに無邪気な瞳で強引にアタックしてしまう二代目アダムなどはお手の物でいらっしゃいますわね。得意分野ですわよね。ね、レイフ様!
それにしても若い頃と後年のヴァレリーを演じたジェニファー・エールとローズマリー・ハリスが実の母子だとはびっくり。ヴァレリーはもう一人の主人公ともいえる重要な役ですが、二人ともとても良かったです。他には「クラッシュ」で見て以来のデボラ・アンガーさんとか、それと「スパイダー」でも共演してたジョン・ネビルも出ていて、レイフと並んで食卓についてるシーンでは一瞬ウィルキンソン夫人の下宿にワープしたかと思いましたけど。いえ嘘ですけど。
あと、「スターリングラード」で私のジュードを大胆に誘って惑わしてモノにしていた(間違った見方)レイチェル・ワイズ嬢はまたしても大胆だった!(笑) そういやあの映画ではファインズ家弟のジョセフに言い寄られても見向きもしなかったもんな! さてはあなた始めからレイフ兄さん狙いだったのね! ってああもう私情が入ると役柄も映画も混同しまくりです。 どうでもいい話になってきたのでいい加減にやめますが、この作品既にDVDになってますのでレンタルでもご覧いただけます。ご興味(とお時間)があればぜひどうぞ〜。
****** 太陽の雫 【SUNSHINE】
1999年 カナダ・ハンガリー / 日本公開:2002年 監督:イシュトヴァン・サボー 出演:レイフ・ファインズ、ローズマリー・ハリス、ジェニファー・エール、 レイチェル・ワイズ、デボラ・カーラ・アンガー (劇場鑑賞)
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そして帰り道、偶然地元の本屋で古本パンフ販売をやっていて「アベンジャーズ」と「イングリッシュ・ペイシェント」と「オスカー・ワイルド」のパンフを発見!
「オスカー・ワイルド」はかなり嬉しいです。うぎゃージュード美しい〜。
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