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2003年03月12日(水) 「スパイダー」に備えよう!第二弾 クローネンバーグ特集(ビデオドローム/戦慄の絆)

さて前回に引き続き「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」に備えよう!企画、絶賛開催中であります(独りで)。本日第二回目のテーマは“鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督に 親しもう (それは無理だ…)慣れよう!”。独創的な題材とエログロ満載衝撃映像でタブーを無視してガンガン突っ走るこの御方の魅惑の世界に少しでも免疫をつけておこうというのが目的でございます。ちょっと古いけど有名作で未見だった二本をチョイス。

■ その1 「ビデオドローム」
横澤さんの「よんだ。みた。かんそうぶん。」で取り上げられてて面白そうだったので真似して見てみました。横澤さんありがとうございます。
で、横澤さんも仰ってましたがこの映画「イグジステンズ」に似てませんか。いや、時系列的に正確には「イグジステンズ」が「ビデオドローム」に似ていると言うべきか。全編にわたるこの悪夢っぽさ、そして時折現れるドロッヌルッグチョッとしたグロテスクな映像。ある種のフィクション(あっちはゲームでこっちはビデオ)をきっかけに、いつの間にか抜け出せなくなってしまう不気味な世界。
クローネンバーグには、原作があるお話や他人が書いた脚本で監督だけをやってる作品と、自分で原案も脚本も監督も全部やってる作品とあるんだけど、「イグジステンズ」もこの「ビデオドローム」も後者のパターンなんだよね。だからその意味でクローネンバーグ色が特に強く出ている作品と見ていいと思います。あの映画が'99年製作、これが'82年製作。20年近く前からこだわってるのか。よっぽど好きなんだなあこういうネタ。


■ その2 「戦慄の絆」
あらゆる意味で一心同体の一卵性双生児が主人公。産婦人科医である彼等が、患者として出会った一人の女優の存在をきっかけにそれまで保っていた二人の間のバランスを少しずつ崩してゆく。と、こう書くとその女優がクセモノみたいだけどそういうわけでは全然なくて、怖ろしいのはこの双子の特異な結びつきです。まさに「戦慄の絆」。ジェレミー・アイアンズが一人二役でそりゃもう素晴らしい演技でございます。
ホラーというよりサイコサスペンスですが、全体的なムードはやはり非常にクローネンバーグっぽいと思いました。赤い色調の手術シーンとか、あの開発した医療器具とか特に。オープニングからして雰囲気抜群、そしてじわじわと狂気に向かって崩壊していく双子の様子がお見事。
見たことあるクローネンバーグの作品の中ではこれが一番ゾッとしたなあ。私はクローネンバーグの映画って、どんなにグロくてもえげつなくても、ああ出た出たこれぞクローネンバーグだよクックック、と、どこか「待ってました!」的ノリで見てる部分があるんだけど(だから「裸のランチ」とか割と好きです)、この作品はあんまりそういう余裕がなかったです。見応えありました。


ということで今回の二本、私的には結構ヒットだったな。80年代の作品ながらいまだインパクト衰えずという感じ。ただし、わけのわからん世界やグロい描写が苦手な方には絶対おススメできませんのでご注意下さいませ。そして懲りずに「スパイダー」に備えよう!第三弾へと続く。



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ビデオドローム 【VIDEODROME】 

1982年 カナダ / 日本公開 1985年
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー
(ビデオ鑑賞)


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戦慄の絆 【DEAD RINGERS】 

1988年 カナダ / 日本公開 1989年
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド
(ビデオ鑑賞)


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