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2002年11月27日(水) フレイルティー 妄執

俳優ビル・パクストンの初監督作品。本人も出演してます。低予算で地味に作られながらも次第に話題となり、今やスティーブン・キングにジェームズ・キャメロンにサム・ライミも絶賛(らしい)。「史上初!血の出ない映画でR-12指定」のサスペンスホラーです。

「神の手」という謎のメッセージを現場に残すバラバラ殺人が発端。ある夜事件を担当してるFBI捜査官のもとに突然正体不明の男が現れて「犯人を知っている」と告げ、そして信じがたく怖ろしい自らの生い立ちを語り始める…、というストーリー。連続殺人事件そのものがメインではなく(非常に重要ではあるけれど)、マシュー・マコノヒー演ずる謎の男が語る過去が映画の主な内容。

上の方↑で便宜上“サスペンスホラー”と書いたんだけど、これ正確には何と紹介してよいやらちょっと悩むなあ。もちろんスプラッタではないし特殊効果で視覚的に怖がらせるわけでもない、サイコっていうのとも違うし、オカルトとも…違う、よね?(訊くな) もっと人間の怖さを追究していて、なおかつ微妙に超常現象も含んでる。宗教的な要素も絡みます。公式サイトにあった「マインド・ホラー」っていう表現がやっぱり一番ピッタリくるかな。

サスペンス仕立てにもなってるので、どう決着がつくんだ?というハラハラ感も味わえます。まあトリックとしてはちょっとズルイというか、取り立てて目新しくはない(と思う)のだけれど、話の運び方がなかなか上手いんだよね。過去の話が延々続くのにそれが見事に現在に繋がっていくんです。並行して、完全に第三者の視点で冷静に見ていたはずの我々観客の信念が揺らぎ、挙げ句の果てにばーんと突き放されてしまう。
…うーんダメだ。なんか感想言ってるだけでもネタバレになりそう。最後まで見終えると、だからあの時ああだったのか!と色々伏線張られてたこともわかります(母親の写真にこだわっていたこととか、握手をしなかったこととか)。

それからマシュー・マコノヒーとビル・パクストン、彼らの演技良かったです。ちょっとイッちゃってる感じで、特にマシューさんのあのおさえた喋り方なんてすごくハマってました。子役の男の子も上手かった。

しかしよく考えるとヤバイ話だなあ。怖いというよりヤバイよ。原題とは一見無関係の「妄執」というこの副題が、内容のヤバさを多少フォローしているのではないかな、と思いました。


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ところで。上映前にクリスチャン・スレーターの新作(いや厳密に言うとあまり新作ではないんだけど)「ハードキャッシュ」の予告編が見られましたー!わーい。ヴァル・キルマーと共演のドタバタ犯罪劇(っぽい)。来年1月に公開だそうです。最近日本公開作が多くて嬉しいな。でも主演の時は単館ばかりで寂しいな(涙)。脇役の時は大きい劇場なのに…!くっ。




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フレイルティー/妄執 【FRAILTY】

2001年 アメリカ / 日本公開:2002年
監督:ビル・パクストン
出演:マシュー・マコノヒー、ビル・パクストン、
パワーズ・ブース、マット・オリアリー
(劇場鑑賞)


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