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2002年11月23日(土) |
マイノリティ・リポート |
はりきって応募した試写会に見事はずれたため意地になって先々行オールナイトで観て参りました。我ながら大人げないです。先行ロードショーなんて一体何年ぶりでございましょう。
プレコグと呼ばれる予見者達を軸にしたシステムにより殺人の予防が実現している近未来のお話。まあ公開前だしストーリーについて詳しくは申しますまい。 (*とか言いつつ以下ネタバレ満載なので未見の方は絶対反転させないように)
未来世界の設定は色々面白かったです。なんかね、近未来ではモニタもディスクも透明になるらしいですよ!すごいよね!ハイテクだね!そのくせ肝心の予知結果はビンゴゲームの玉みたいにゴロゴロ転がってくるあたりちょっとアナクロで素敵。あとアレですか、トム氏のご自宅だけ妙に最先端なのはやっぱりハリウッドスターだからですか(違)。息子の映像を見て懐かしんでる場面で思わず「JM」のビートたけしを連想してしまったのは……私だけですね、はい。すみません。
それからこれは「A.I.」でも感じたことですが、途中の流れが若干冗長だなあという気がしました。そして話が進むにつれてSF性が薄れてゆきご都合展開炸裂だなあという気もしました。あら私今ひょっとして「M:I-2」観てるのかしら?と錯覚に陥るトムクル独壇場シーンがちらほらと。だって機械に挟まれながら取っ組み合いした挙げ句そのままできたてホヤホヤの赤いスポーツカーで逃げちゃうなんていくら何でもあり得んだろ!コリン・ファレルもあなた、そこで真面目に悔しがるなっつーの。どう考えてもありゃ常識超えてるって。あと、(手配されてるはずの)トムの網膜でどうしていつまでもあちこちの要所に侵入できるんだろう、とか。それ以前にあの眼球は大丈夫なんですかね。ずいぶん長いこと持ち歩いてたみたいですけど。
などと色々つっこみましたがこれらは全て巨匠スピルバーグだからこそ言いたくなる種類の単なるいちゃもんというか、ええと要するに、総合的には楽しかったでーす。本格SFファンの人には物足りないかもしれないけど万人をターゲットにしたエンターテイメントとしてはよろしいんじゃないでしょうか。ええわたくし映画は娯楽派でございますから。
原作の設定を発展させて映画オリジナルの話にしたところも好感持てました。観る二日くらい前に原作を読んでみたのですが原作は原作で面白いです。どっちかというと「マイノリティ・リポート」というこのタイトルは原作での方が生きてた感じ。今回の“未来透視”にしても「A.I.」で扱われた“人工生命”にしてもSF素材としてまだ発展が期待できる旬なテーマで、つまり味付けによってはかなり骨太の硬派SFに仕上げることも可能だったと思うんだけども、でもスピルバーグはやっぱりどうしても人間愛の方に焦点を当てたいのかなあ。もちろんそこがいいところなのだとは思います。だから個人的にはSFよりファンタジー系をいっぱい撮ってほしいです。
最近見直したトムさんも普通に良かったですが、予想以上にヒットだったのはコリン・ファレル。なんか可愛くないですかこの人! 相変わらず顔の上半分がポストブラピ。いや冷静に見れば全然似てないんだけどさー、でも確かにブラピを彷彿とさせる何かがあるのだよ。私の中のブラピレーダーが反応するのだよ。 彼「ジャスティス」で演じた実直純粋な若中尉もよく似合ってたけど今回の嫌味なエリートの方が断然私好み。それにメガネですよメガネ。メガネ萌え〜。サスペンダーも可愛いし。今ハリウッドで最もサスペンダーが似合う若手俳優に決定。
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余談ですが、先行ロードショーの特典で入場者全員がポスター(非売品)もらえたんですよ。それでさっそく上映前に広げてみたら下の部分がカレンダーになっていて、おっなかなか気が利いてるじゃん!と一瞬感心したのですがよく見るとそれは来年ではなく映画の舞台となった2054年のカレンダーでした。50年後のカレンダーを今どうしろと…。とりあえず友人と二人で2054年の自分の誕生日が何曜日なのか確認してみたもののそれ以外の用途をいまだ思いつけません。ちなみに私は水曜日でした。(だから何)
****** マイノリティ・リポート 【MINORITY REPORT】
2002年 アメリカ / 日本公開:2002年 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、 サマンサ・モートン、マックス・フォン・シドー (劇場鑑賞)
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