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友人がわざわざ電話で教えてくれたんですけど、なんか今日の笑っていいともにイーサン・ホークが出たんですか?「チェルシー・ホテル」のプロモーションだそうで。うあー見たかったYO!つうか悔しいYO!昨日だったら私、昼間に新宿(しかも思いっきりアルタ周辺)をウロウロしてたのになあー。(←渋谷で「es」観て、その後新宿に移動して「セッション9」を観たのです…しかし我ながら何というチョイスだこの二本…)
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というわけでまず「es」。
普通の人々が囚人役と看守役に分かれてロールプレイング。いやー引き込まれました! この先どうなるのか知りたくて2時間夢中で見ちゃったよ。米スタンフォード大で実際に行われた実験のお話で、現在も裁判中とのこと(ゆえにアメリカでは公開不可能なんだそうだ!)。この作品自体は非常に映画的、というか、割とエンターテイメントな作りだと思うんだけど、どの辺まで事実なんだろう。実際にはどういう経緯で中止に至ったのかすごく興味あります。 (とりあえず公式サイトは→こちら)
役割そのものが行動の目的になってしまうというところが怖い。人間って根本的にこういうものなんだろうか。看守役はいちおう“秩序を保つため”とか“報酬のため”などと口にするんだけどそれは見るからにタテマエで、主に看守であるという自己認識によって権力を自覚し暴行をエスカレートさせるわけです。一方で囚人役達の間にも、理不尽な怯えみたいな感情が何となく蔓延してしまったりして。別に本当に罪を犯して服役してるわけじゃないのに。 現実社会に戻ればみんな全くの一般人なのに、実験期間は閉ざされたそのシチュエーションが彼らの実社会になってしまう。これは何も他人事ではなくて、我々のこの社会だってより高次の視点から見れば結局同じようなものなんだよね。もっともらしい理念を掲げて生きているつもりでもそれは意味づけにすぎなくて、実は与えられた(あるいは選んだ)役割をこなすというある種の自己陶酔に支配されて行動してる部分が大きいのかもしれない。それが良い効果をもたらす場合も含めて。
例えばね、赤の他人同士をランダムに集めて疑似家族をつくる実験をして、それによって被験者達は血の繋がった家族以上に強い愛情で結ばれた!とかいう映画を作ったら感動作になると思うんですよ。でもそれだって本質的な原理はこの「es」と同じなわけでしょ?ちょっと怖いよなあ。自分の感情を、どこまで信じていいのやら。
ま、それはともかく。さすが話題作だけあって、映画館満員でした。今週の土曜からは新宿でも公開が始まるそうです。あと、本編始まる前に映写機のトラブルがあって、「ピンポン」の予告編が連続で二回も見られた。ラッキー。 ところで私、渋谷で映画観るのって、記憶を深く深く辿って考えてみたら「羊たちの沈黙」(←'91年公開)以来でした。11年ぶりかよオイ!自分でびっくり。や、これでも生まれて○○年ずっと首都圏に居住してるんですけどね、一応。
****** エス[es] 【DAS EXPERIMENT】
2001年ドイツ / 日本公開:2002年 監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル 出演:モーリッツ・ブライプトロイ、クリスティアン・ベッケル ユストゥス・フォン・ドーナニー、マレン・エッゲルト (劇場鑑賞)
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