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えっ「ニューヨークの恋人」の間違いじゃないのメグ・ライアンとヒュー・ジャックマンのでしょ?と思った方ごめんなさいー。時期的に紛らわしくてすみませんがご覧の通り恋人ではなく亡霊です。私的ジェームズ・スペイダー強化月間、一人孤独に続行中。
恋人と共に購入し暮らし始めた一軒家には実は以前の持ち主老夫婦の亡霊が住みついていて、スペイダー演じる主人公がこの亡霊夫婦に振り回され恋に仕事に右往左往、というお話。コメディです。
うーん、正直言うとヒロインの心理にいまひとつ感情移入できなくて(私自身にあまり結婚願望がない所為だろうか)、主人公カップルの言動がちょっと無軌道に見えてしまった部分があります。どっちかというとマイケル・ケイン&マギー・スミス扮する亡霊老夫婦の方が魅力的。お二方、さすがの存在感です。特にマギー・スミスは上品なのにチャーミングで、とっても素敵でした。
さて主役のスペイダーさんは、コメディ映画らしく今回徹底して二枚目半を演じてます。まあよく転んでます。そのままお笑い芸人になれるよアナタ。真に迫った泥酔ぶりもスゴイ。「ザ・ウォッチャー」で鬱々と苦悩していたFBIと同じ人とはとても思えん。 それでも後半、パーティのシーンがあるんですが、そこでタキシード着て黙って歩いてたりする姿なんかはいかにもジェームズ・スペイダー風情(何だそりゃ)でなかなかイイ感じでございました。私この人はこれくらい髪が長い方が好きだな。<いや誰も聞いてないからそんなこと
あと私はこの映画のラストが割とお気に入りです。予想通りのありがちなパターンだとは思いますが、こういう心温まる幕引きってやっぱりいいなあ、と。音楽がまた非常に美しくて、でもさりげなくて効果的。 余計なお世話だけど、その辺含めて考えると、タイトルは「ニューヨークの亡霊」よりも原題「Curtain Call」の方が相応しい気がしました。ニューヨークの風景はそれほど出てこないし、それに途中でしばらくワシントンに移動しちゃうしね。
そんなわけで全体的な印象としては何てことない普通のラブコメなのですけれども、しかしながらよくよく考えてみれば、彼ジェームズ・スペイダーという俳優においては、その“何てことない普通のラブコメ”がいかに少ないことか! 他にあります? ひょっとすると私はコレが初めてかもしれないですよ。「僕の美しい人だから」は恋愛モノだけどコメディじゃないし。「マネキン」はインパクト抜群で笑えたけど主演じゃないし(ていうか明らかに敵役)。そういう意味でこの作品、ストーリーがどうのこうの言う以前に、軽い気持ちで明るく観られてさらに後味も良いスペイダー主演作という点で結構貴重かなと思いました。ファンとして。 私はDVD入手してしまったのですが、いつも通ってるレンタル屋さんでも「おすすめ未公開作品」として取り上げられていて、それがひそかに嬉しかったです。(ええ、日本未公開なんですよコレ)
****** ニューヨークの亡霊 【Curtain Call】
制作:1999年アメリカ / 劇場未公開 監督:ピーター・イエーツ 出演:ジェームズ・スペイダー、ポリー・ウォーカー マイケル・ケイン、マギー・スミス (DVD鑑賞)
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