兎に角日記
三日に一度は兎に角と書いてしまう。

2014年09月10日(水) 産みました。

結論から言いますと、産みました、双子。

一子が1500g程度の女の子。
二子が2200g程度の男の子。

おねぇちゃんと弟になったわけです。
しかし、どちらも小さく、手術室で腹を縫われながら一瞬見た(そして渡したカメラで酷い顔で記念撮影した)後、小児科の保育器送りに。

その日はとうとうその一瞬しか会えませんでした。


そして手術について。
克明に日記に残してやろうと、考えておりました。
ので。

以下その記述になります。読みたくないかたはスルーで。



***


帝王切開手術は、午後に始まりました。

家族が来たことを確認し、麻酔医の説明が昨日に引き続きもう一度あり(ヘルニアのせいですな)、その後、ベッドごと手術前室に移動。
先日3時まで寝なかったせいで、この時点で凄く眠い。
むしろ故意に眠い状態です。だって覚醒してたら怖いじゃないですか、麻酔が!
脊椎にブスリですよしかもヘルニアのせいでものすごく狭くなってるところ近辺に入る訳です針が。
後遺症とか残ったらどうしよう、子育てこれからするのにとか考えるわけです。

なので故意にぼんやりしながら、手術台に移動させられ、麻酔医やら小児科医やら手術助手やらが私に上から挨拶してくるのをざっくり眺め、手術室の風景を目の届く範囲で眺め、眼鏡を外され何も分からん。

今日はよろしくお願いしますって、あれ? 担当の先生ですか? って聞いたら、ああ眼鏡がないから分からないのねと言われつつ、まずは背中に麻酔をぶすり。

あれです、局所麻酔。こっちの方が痛いから我慢してねと言われたんですが、そんなに痛くもない。それを2か所。
動かないように助手さん二人がかりで私を押さえつけてます。が、私ちょっと眠い感じなので、うつろです。
助手さんたちが、気分を紛らわそうとしてくれているのか、雑談してくれているのが助かります。

で、脊椎麻酔。うっ……ってなった。
細い針が背中に入ってくる感触が分かる! けど思ったより痛くない。確かに局所麻酔のほうが痛み的にはあるかも。でも気色悪い。

その後その針と管がどうなっているのか分からないまま横向き→仰向けにされ、両手を血圧計と何やら他のものに繋がれ貼り付け状態。
冷たい綿的なもので(見えないから分からない)、鎖骨辺りとお腹周辺を撫でられ、冷たいか、感触があるかを確認される。

「麻酔が効いてくると、足がじわーっとあったかくなっていきますから」

へぇー。と思っていると、わー。ほんとにあったかくなってきた! そして綿の冷たさが分からなくなっていく。
最初は足が動かせたので、先生の「あれ? 全然足動かせるね、効いてないね」が聞こえたのですが、その後まったく動かせなくなる。

成程これなら、メスをぐさりとされても、多分大丈夫…と思っている所、消毒から始まる。

切るねとか、今この部分こうしてますとか言われたら、きっと私、ものすごく想像してしまって気持ち悪くなって吐くに違いないと思っていたのですが。
先生は何も言わずに淡々と進める。私は時々麻酔の先生に大丈夫かと聞かれるだけで。

時折、腹の肉が引っ張られる感覚…ああ、切られてるのね。と思う。
次に、更に深い部分が引っ張られ……その後、ぐい、ぎゅぎゅぎゅう……っと、言う感じで、あ、これ……もしかしたら子宮の切ったところを押し広げてる?もしかして…、そんな感じ?

結構力技ですね。

思いっきり引き広げられて、その後、引っ張りだされる感触。

おぎゃー!!

って。

一人目女の子ですよって。

さすがに。
腹が軽くなる感触よりも、そっちの方に気が行って、さすがに、おお! って呟いてしまって感動しました。
でも深く感動する暇なくもう一人ひっぱられてますけどー!

ちょっと出しにくいらしく、ぐりぐりひっぱられて、二人目の産声を聞く。二人ともものすごい元気。めっちゃ泣いてる!

ああ、良かった、下半身麻酔で済んで。全身麻酔だったらあの声聞けなかったんだね。

そういえば双子の場合は、助産師さんも、小児科医も麻酔医も担当医も、二人ずつ付いてくれるのです。
贅沢出産なわけですが、二人の子供たちはそのスタッフさんたちに手分けされて、部屋の隅で何かされている模様。

その後、枕元にやってきたのが女の子。

小さい!
小さいよ!!

しわしわだよー!

写真を撮って、指先で触れる程度で、またどこかに連れて行かれてしまった。

男の子が来て。

こっちも小さいよ!
しわしわだよ、子ザルのようだよー。

この子も写真を撮って、ほんの少し手で触れて、連れて行かれてしまった。


後に残るのは。

縫合。ってやつですね。


ひと山越えた気がした私は、もう腹の方より、腰のほうが気になって気持ち悪くなってきた。

「すみません、腰がだるいんです、すっごく気持ち悪いんです」
「麻酔のせいですよ」

麻酔のせい、と言われても。だってこれ、ヘルニアで寝込んでる時の腰の状態ですよ。腰に力が入らなくて気持ち悪い。誰かマッサージして。誰か、誰か―!

寝返り打ちたい。

「眠くなるお薬入れますから。寝ちゃっていいですよ。もうお子さん出ましたからね」
「腰がだるいんです……」

気持ち悪すぎて、寝られない…。でも薬が効いてうとうとする…の繰り返し。
お腹の縫合は意外と時間がかかってる。二人がかりだというのに。

「まだですか…あとどれぐらいですか」
「あと15分は掛かりますね」
「15分……」

死ぬほど長く感じた。




朦朧としながら手術室をでて産婦人科病棟に帰ると、両親と義母とだんなさんが待ち構えていた。
お疲れ様とかありがとうとかなんとか言われたような気が。なんか、台詞っぽい奴を。

でも眠い。
ちょっと笑えたような気がするがそのまま回復室へ。

仰向けのまま、一時間ずつうつらうつらしては目が覚める。血圧と体温を測られて、点滴を打たれ(そういえば血管が弱いらしく、入院生活でもう打つところがないほど両腕青痣だらけだった)そのまま3時間ほど。

あれ……? 旦那さんたち、子供に会えましたかね?

「会えたの?」
「いや、まだ」

そんな会話を繰り返して6時間後。
漸く小児科から子供に面会を許され、旦那は保育器越しに二人をだっこできたそうな。
両親義母は、それを部屋の外から見るしかできなかったそうな。

そして私はこんこんと寝ながら、背中がだるい、気持ち悪い、寝返り打っていいですか? の繰り返し。
気持ち悪いけど麻酔が効いてるから5分くらいで眠くなって意識が遠のき1時間寝る、の繰り返し。

子供への面会が済んだ時、夜8時を過ぎていた旦那さんたちはそそくさ帰って行った。

しかし私は辛い夜が続く。

睡眠を促していた薬が切れて、一時間が長い、長い、夜でした。
水も飲めず、うがいもできず、翌日の診察でOKが出るのを待つわけです。

そんな中。
……旦那さん、明日の仕事終わったら面会に来てくれるかな……とか、思っていました。


続く。





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