兎に角日記
三日に一度は兎に角と書いてしまう。

2002年11月10日(日) 映画祭二日目

マイナー映画祭にようこそ皆様。
前夜祭も含めて3日間、入場総人数は2千人という事に相成りました。遠い所から来てくれた人も、毎年楽しみにしていてくれる市内の人も、ただ立ち寄っただけの人も有難うデシタ。

今日のラインナップは「GO」「まぶだち」「ハッシュ!」「LOVE SONG」の4本。内見られたのはGOとラブソングの後半30分のみでした(T_T)
流石に皆こっちを見たかったと見えて、受付から離れられなかったんだよね。
GOは首尾よく見に行けたが、思えばGOは我慢してまぶだちを見に行けばよかったと心底後悔…うっ、うう…。

** しゃあないので、GOの感想を。 **
良く飛んでましたね。スローモーションでジャンプ。小気味いい。
台詞が棒読みなのは演出だと思いたく、紫咲コウはなぁ…不思議少女にしては色気がありすぎてちょっと…。
ストーリーは好きです。ちとくさい台詞も。あと山崎努も窪塚洋介も。
ぶっちゃけ80点。難しいテーマを爽やかに描いてくれましたで賞を差し上げます。
嫌いと言っている訳ではなく、なんだろ…「主人公=ああ、いいなこんな奴格好いい。と思わせる」ことと、「主人公=こういうことあるよね。体験して無いけど、凄く共感できるよ、分る分る」の二つ、どっちも良く書けてたと思うんだけど、どっちも一歩、名作と言うには及ばなかったかもという事。
…やばいな。今日は辛口か? 80点じゃかわいそうか?
GOが好きな人が見たら怒るかもなぁ。こういう感想ってその日の気持ちにも寄るし、多分、色々と賞を取ってたから期待しすぎちゃったんだろうね。
まぁ、まだみてない人は、見てみてください。もっと面白いかも。

***
トークセッションと言う事で、まぶだちの監督古厩智之さんが来ました。
けど、遅刻ギリギリで来た。
打ち合わせ時間残り15分でも来なくて、「監督急病の為云々」という張り紙まで用意しちゃったよ。チケットの払い戻しもありかもよ、どうするよ。という話も。
それが、受付に座って(もう間に合わねーんだろうな。だったら仕方にゃいからセッション相手の田沼評論家独壇場バート2で行くしかないんではないですか…)
とぼんやりしてたら、一人の男性が入り口から入ってきた。
いらっしゃいませ、一般チケットですか?と言いそうになったが、監督だった。
背が高くてカジュアルジャケットに斜め掛けバックといういでたちだったので、一瞬わかんなかったです。後光が差して見えましたよ(背中に西日を浴びていたせい)。
こっちが切羽詰って緊張していたせいか、なんか格好よく見え……あれですね、「スピード(映画タイトル)」効果(笑) 高いつり橋の上なら相手の顔が2割り増しハンサムというやつ。
なんか、間違って隣の駅で新幹線を降りたらしい。そしてタクシー飛ばしていらっしゃったんだと。危ねかった。マジで。

所で、監督が到着する前から一人の若者が受付にやってきて、「一週間前、監督にお会いして話をする時間が無いものかと思ってお電話した○○ですが、当日ロビーで待てば、時間を取ってくださるというお話だったのですが」と言った。実際そういう話は通っていて、了承済みだったんですが、ただ、監督遅刻してきたから…(遠い目)。トークセッションの後で待っててくださいね。という事になった。
首尾よく若者と監督の会話の時間が取れるのか、関わった分不安になりつつ私も広範15分のみ見ることが出来たトークセッション。その中での質疑応答の時間になった。
すると先程の若者が、監督に次回作の話など聞くではないか。ほお…良い質問をするものである。田沼評論家も話を盛り上げるのに嬉しいところ。
ところが、その次に、他の青年が、手を上げた。
青年「僕、まぶだちの撮影された所で生まれたんです。近所なんですよ」
監督「へぇ、そうなんですか」
青年、場所を詳しく述べる。
監督「…で、どうですか?」
青年「で、えっと、僕なんてどうですか?」
監督「? …え?」
青年「次回作に起用してくれませんか。僕なんてどうですかねぇ。」
田沼評論家「………ええと君は、演劇とかやってるの?」
青年「全然、やってないです」

……ああぁ…監督も困ってましたよ。
で、それで終わればまだいいんですが。
トークショーが終わって、じゃあさっきの「若者」の方を控え室に連れて行った。
すると。なんと。
「青年」の方が既にいて、なにやら騒がしく喋り捲くっていたのですよ……。
そうた心の叫び:「違います。電話でアポまで取って、確認して、常識的にアクセスしてきた若者は、その人ではありません」
監督は、その後ロビーに出てお客さんから感想を聞きたい、との事だったので、お話しするのは悪いことではないんだけれども、あの非常識な青年のせいで、あのクソ真面目そうな若者は、隅っこの方でじっと……。
何者だ君は!!<青年に対する叫び。
真面目そうな若者は言葉少なに監督と会話し、「ちっとでもお話できてよかったね」というもう一人の受付女性の言葉を聞いて、破顔して帰っていきました。
よほど嬉しかったんだろうね。私は作品観てないから分らないし、遅刻してきた監督にしか会ってないから、なんともいえないけど、ひたむきな感じが伝わってきましたよ。
対して青年の方はですね。その後も延々と監督にまとわり付き、自己アピールの嵐だったそうです。他の人が話したそうにしてるってのにも関わらず。
正直、迷惑だス。
これでウチの映画祭の悪い噂とかたってしまったら、とても困るのである。
映画祭だけではなく、FC(フィルム・コミッション/映画を自分達の住む土地へ招致する非営利団体)としてもNGなのだ。


一応、言っておきますが、普通の映画祭ではこんなことはありえません。
会いたいからといって、会わせてくれるような事は、実際の所非常識に入るものだと思うし、監督だからそれが出来るわけで、女優さんや俳優さんでは絶対に出来るわけが無い。です。
ちょっと…田舎無礼という感じです。
こういうところはまた、考えていかなければいけないと思います。
いつまでも、『まだ始まったばかりの映画祭だから」と言うわけにも行かない。
早く、他の市の長く続いている映画祭みたいに、形が整っていくといいなと思います。
新しい試みが毎年あって、毎年どこかでトラブルがある。
予測が甘いのか、役割分担システムが間違っているのか。
田舎ゆえに映画を見るお客さんのマナーもイマイチであったり(今回の青年はウチの市内の人では無かったけど、それだけでもないし)する。
多分、まだまだ色々。

市民の祭りでもある映画祭。だから、いつかは役所の管理下から離れていく事が、これからの発展に繋がるのではないかと思っています。

** おまけ **
私の居た会場では昨日も含めて計8作品の上映でしたが、実は3会場あり、一つは
「ファイナルファンタジー」「BLOOD」「シュレック」「長くつ下のピッピ」「ドラえもんのび太の宇宙開拓史」「銀河鉄道の夜」というアニメ・CG関連の映画をやっていました。マルチメディア系という括りです。
もう一つは映画館で、「たそがれ清兵衛」。封切り直後の映画です。
これら計15作品がみ放題という映画祭でした。
来年もやりますので、もしお暇でしたら、見に来てください。
暢気な田舎ですけど。

では、また明日。


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