昨日『サンモンシャシン』の文を考えていた時、 とある知人が産婦人科にかかった一件が浮かんできた。
女性ならおそらく一度はデリケートゾーンの痒みというものを 体験したことが絶対ある多分あると思うけれど、 彼女の場合もまたそうだった。 ただ、なかなか痒みが引かなかったので病院に行ったところからの話。
その産婦人科の先生は、お年を召した大変品のいい女医さんで 診察もとても丁寧なのだそうである。 その上品な先生の丁寧な診察の後、身支度を整えた知人は 神妙な顔をして尋ねた。
『あの、これってもしかしてインキンですか?』
…いきなりそこかよ。 知人とはいえここに話が飛ぶところがこわい。
するとその先生、ちょっと驚いた顔をなさってからホホホと 品のいい笑いを浮かべた後でこうおっしゃった。 『あらあら…若いお嬢さんがそんな言葉言っては。ホホホ。』
そしておもむろに本を取ってパラパラとめくり 『ほぉら、これがインキンよ。』(あくまでも上品に) と、どアップの患部写真を知人の目の前に差し出したそうである。
知人にとってはその写真よりも、 上品な笑顔でインキンの写真を出す先生の方が はるかにインパクトが強いと言っていた。
何物にもかなわぬ笑顔というのは、素晴らしい。
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