最近、群ようこの『おやじ丼』という本を買った時に 同じ棚に『向田邦子ふたたび』なる本が並んでおり、一緒に購入。 (文春文庫 ビジュアル版)
実母が彼女のエッセイを好きだったこともあり、 最初に読んだのは小学生の時の『父の詫び状』だったように思う。 きっかけが実母だったことには間違いないが 何故かとても惹かれて読んだ記憶がある。
だからなのだろうか、彼女が亡くなった時 …即ち台湾での飛行機事故のニュースも、おぼろげに憶えている。
それからン十年、何度エッセイを読み返したか。 子供の時は、自分が知らない昔の生活を垣間見るようで面白かったけれど 大人になるにしたがって、見方が変わってきた。
一人の女性として『カッコいいな』と思い始めた。
こんな言い方、軽薄かもしれないし無論ご本人にお会いしたわけじゃない。 『ままや』だって、自分がもう少し大人になったら… そんなことを思っているうち、結局行けずじまいになってしまった。 (これは今でも非常に後悔している。行っときゃよかった、と。)
料理が上手で、さりげない気配りができて、颯爽としているのに 整理整頓が苦手。(最後だけは私と同じ)
本を読みながら改めて、憧れるひとだと思うだけに 白菊に飾られた祭壇の写真と弔辞は、今更ながら涙が出そうになった。
|