一日後記

2004年05月21日(金) 憧れるひと。

最近、群ようこの『おやじ丼』という本を買った時に
同じ棚に『向田邦子ふたたび』なる本が並んでおり、一緒に購入。
(文春文庫 ビジュアル版)

実母が彼女のエッセイを好きだったこともあり、
最初に読んだのは小学生の時の『父の詫び状』だったように思う。
きっかけが実母だったことには間違いないが
何故かとても惹かれて読んだ記憶がある。

だからなのだろうか、彼女が亡くなった時
…即ち台湾での飛行機事故のニュースも、おぼろげに憶えている。

それからン十年、何度エッセイを読み返したか。
子供の時は、自分が知らない昔の生活を垣間見るようで面白かったけれど
大人になるにしたがって、見方が変わってきた。

一人の女性として『カッコいいな』と思い始めた。

こんな言い方、軽薄かもしれないし無論ご本人にお会いしたわけじゃない。
『ままや』だって、自分がもう少し大人になったら…
そんなことを思っているうち、結局行けずじまいになってしまった。
(これは今でも非常に後悔している。行っときゃよかった、と。)


料理が上手で、さりげない気配りができて、颯爽としているのに
整理整頓が苦手。(最後だけは私と同じ)

本を読みながら改めて、憧れるひとだと思うだけに
白菊に飾られた祭壇の写真と弔辞は、今更ながら涙が出そうになった。


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