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二人のはじまり 12■2002年04月04日(木)
帯状疱疹を患ってからの10日間を僕は家のベッドで過ごした。
春休み明けの学校のガイダンスも休み、医者を除いて、誰とも会わなかった。
異様に眠く、一日を通して意識は朦朧としていた。
それでも生徒とは日に何度かメールや電話をしていた。
気づけば、彼女とのやりとりが欠かせなくなっていた。
ある日、生徒に送ったメールが返ってこなかった。
彼女は電話にも出なかった。
僕は、何かあったのではと何度も電話を掛けたが、無駄だった。
ようやく夜になって電話に出た彼女は、ナンパしてきた男と一緒にいると言った。
信じられなかった。
激しい怒りを感じた。
僕が電話口で怒鳴っっても、生徒は軽く受け流そうとした。
そして、僕が、迎えに行く、今どこにいるんだ…と言いかけたとき、彼女は一方的に電話を切った。
それっきり彼女は携帯の電源を切ってしまったらしく、電話が出来なくなった。
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