Experiences in UK
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2005年01月17日(月) |
第73-75週 2004.12.27-2005.1.17 コーンウォール旅行1 |
年末年始は、コーンウォール半島への一週間の旅行に出かけていました。コーンウォール半島は、英国の南西に突き出た半島で、デヴォン県とその南隣のコーンウォール県から成ります。
(ダートムーア国立公園) 半島の真ん中あたりにダートムーア(Dartmoor)と呼ばれる国立公園が広がっています。ムーア(moor)とは、辞書を引くと「原野」とか「荒野」となっているとおり、ほとんど樹木のない原野が延々と広がっている場所で、ダートムーアは火山活動の結果できた土地のようです。標高は600メートルほどで、何もない原野の丘陵地帯が連続してうねっている風景の中、羊やポニーがところどころで草を食べています。 広い原野の中には、ハイキングの拠点となる町がいくつかあって、それらの場所を起点としたハイキング・コースが網の目のように整備されています。整備といっても、単に歩く道があるだけなのですが、英国人は、それらの全く何もないウォーキング・コースを、老若男女を問わず完璧な装備をして延々と歩くというレジャーを楽しむ国民です。 今回、我々もそれなりの装備をして、6か月の娘は背中の背負子に背負って、二時間程度のハイキングを楽しみました。12月のムーアは、正直言ってかなり寒いのですが、念の入った防寒対策を施した服装で黙々と歩く多くの英国人とすれ違いました。
(エデン・プロジェクト) コーンウォール県の真ん中あたりに、「エデン・プロジェクト」なる名前の巨大な植物園があります。これは、途方もない規模の発想で作られた植物園で、まさに「プロジェクト」という名にふさわしい代物です。 サイン・ボードに従って、主要道路からかなり外れた場所まで車を進めると、突如として白い球状の巨大な温室が5〜6個連なった風景が目に飛び込んできます。SF映画の中の火星基地を思わせるこれらの温室群は、世界各地の自然環境を再現しているというもので、つまりここを訪れると世界中の主要な植物をすべて見ることができるということになっています。このような植物園は、世界中でココだけのようです。 学術的な価値や志の高い植物園なのでしょうが、世界中の植物を見ることができるということ以上でも以下でもなく、とくに植物に対して関心が高くない人にとっては(私がそうなのですが・・・)、かなり僻地であることもあり、わざわざ訪れる意味があるかどうかはやや疑問、というのが正直な感想でした。したがって、新たな観光の目玉として鳴り物入りで数年前に完成したらしいこの植物園の観光ビジネスとしての将来性には懐疑的にならざるを得なかったのですが、驚くべきことに、我々が訪れた際、入場に30分以上も待たされる長い行列ができていたのも事実です。やはりガーデニング大国の国民は、みんな植物を愛しているのでしょうか。
(ランズ・エンド) コーンウォール半島の突端はランズ・エンド(Land’s End)という地名になっており、文字通りグレート・ブリテン島の最西端にある地の果ての場所です。英国内でも有名な観光地のひとつで、岬の突端には、ランズ・エンド・ホテルという有名ホテルとちょっとしたアトラクション施設があります。 我々は、岬の突端から内陸側に歩いて30分程度の場所にあるB&B(Mayon Farmhouse)に宿を取りました。数百年の歴史を持つという古い石造りの建物で、二階に5部屋ほどがある小さなB&Bでした。ホストは30歳代の若い夫婦で(奥さんがシャロン・ストーンに似たえらい美人でした・・・)、数年前にこの建物を購入し、宿の経営を始めたそうです。ホスト夫婦には二人の女の子供がいて、うちの長男とキャア、キャア言って仲良く遊んでおりました。
このB&Bでは、ちょっとしたトラブルに見舞われました。宿に到着した日の夕方、夕食を食べに車で出かけようとしたところ、キーを回してもエンジンがウンともスンともいわなくなっていました。ちょっと前まで快調に走っていたのに、地の果てにてうちのポンコツ車もいよいよ果てたのか、という実に厄介な事になりました。 さし当たり、その日の夕食をどうするかという問題に直面していたのですが、宿の周囲は街灯のない真っ暗闇で、歩いていける距離の場所にレストランは到底みつからず、当日の夕食は結局あり合わせのお菓子程度で済まさざるを得ませんでした。 翌朝、B&Bのホスト夫婦に事情を説明したところ、幸運にもたまたま近くにあったガレージ(自動車修理工場)を紹介してもらうことができました。朝一でガレージに車を預けた後、徒歩でランズ・エンドの岬を回り、ランズ・エンド・ホテルで昼食をとってから宿に戻り、祈るような気持ちで再びガレージに行くと、とりあえずエンジンがかかる状態にしてもらうことができていました。旅を続行することができると分かって一安心しました。ただし、スターターが作動しないため、エンジンをかけるたびにボンネットを開けなければならないという面倒なことになりましたが。 ところで、そのガレージの名前はFirst and Last Garageと言います。この近辺の商店やパブなどのほとんどが「ファースト・アンド・ラスト〜」という同じ名前になっていました。つまり、半島の先っぽから来ると最初のガレージでありパブであり、逆に内陸側から来ると最後のガレージでありパブであり、ということを意味しています。面白いネーミングです。
ランズ・エンド近辺で必見だと思ったのは、入り江の岸壁沿いにある野外劇場ミナック・シアターです。ある一人の女性がコツコツと石を集めてきて、数十年の歳月をかけて手作りで完成させたというその劇場は、そのような特殊な由来以上に、ロケーションが素晴らしい劇場でした。凄い場所に劇場を作ったものだと、訪れた誰もが感心することでしょう。
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