文
- 花
2003年12月17日(水)
暗がりに誘い込む腕をかわしたら ひらり 誠実と鏡に向かって呟いたら また ひらり 曖昧の花がほころびはじめる
要らないものは捨てればいい 不用意に咲いてしまった花を 愛でてしまうには余裕が足りない ただ 困っているのだろうが
さあ散らしてしまうがいいさ 誰に知られることもなく ただ この暗がりのうちでのみ 手の中の花は香るのだから
無責任こそ 無償 無駄だなんてああ 無意味な
私とあなたとこの花だけが知っている
/本歌取り「もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし」
<< 前 目次 次 >>
初日から日付順 最新
|