文
- 雪夜
2003年12月15日(月)
降りしきる雪はメレンゲである もしくは昨日風呂場で 胸のあいだを通り 腹の上をすべり落ちた泡だ
雪ぐもりの空は朱をはらんでいる それをぬくもりと感じては身勝手なのだ 水は冷たく氷も冷たく やわらかいものはごく細い棘で織り上げられる あれはすべてそういうものでできている 抱きしめれば肌を傷つけることを知っているだろう だから僕は伸ばした手を引っ込める あれはメレンゲもしくは泡 そう夢想してはみるけれど
淡い光は自身が発光しているのではない けれどその光を優しさと思いたい僕は やはり身勝手なのだ
君 君はそんな僕を 何と呼んでくれるだろうか
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