たくましき乙女たるこの身
     2003年10月15日(水)

 私が自慢できるものは何か? それは健康である、などと言えば私を知る人には即座に否定されるのだろう。わかっていても言わずにはいられない。私の自慢するものは健康以外にありえない! ただし健全ではない。
 私の体は打たれ強い。寒さにも暑さにもよく耐え痛みに強く皮膚は破れにくい。物心ついてから今までに、大病どころかただの発熱ですらも両手にきっちり収まるほどの数しか経験していない。ただし鼻風邪を含めると両足の指までかかる。水疱瘡とおたふく風邪はちゃんと済ませている。麻疹はまだ。これから罹るのかもしれない。少し楽しみである。何しろ病気はイベントだから。
 しかし私がこの健康、むしろ頑丈な体を持っているということを知る人は少ない。まあ知っているからどうというものではないけれど。しかし私を一般の健康な人間と思うのは間違いである、とここで言わせて頂く。私は「頑丈である」という点においてだけは人並みから外れていると言える。自信を持って言える。細かい傷は放置して治す。深酒しても翌日に残らない。激しい運動をしても筋肉痛にならない(忘れた頃にやってくる)。胃腸が強い(賞味期限なんて怖くない)。薄着でも風邪ひかない(冬に裸で寝てても大丈夫)。髪の毛乾かさないで寝ても風邪ひかない(起きると頭が二倍の大きさに)。一号館の階段から転がり落ちても死なない。バイト六連夜を三週間繰り返しても死なない。ごはん食べなくても死なない。
 なまじ体が頑丈に出来ているからこそ、その体の扱いに気を使わないのである。そしてぞんざいに扱っても壊れないからこそ、この体は頑丈なのだ。私が自分に向けて使う語彙に体調管理などという言葉は無い。だからこそ私を知っている人に自分は健康だなどと言うと叱られる。私は健康である。ただし不健全である。扱いが悪い。
 健全な魂は健全な肉体に宿るのだから、入ってる魂が健全でないなら体も健全ではなかろう。徹夜した次の日に学校にいないとかお酒を呑んだ次の日に定例会にいないとか、すべては不健全な魂がいけない。要するに怠け者なのだ。高校までを振り返っても、風邪で学校を休むことはなくても理由の無い遅刻はいくらでもした。自慢できる話では既に無い。そして不健全で身勝手な私の心は自分で書いたことに自分で落ち込む。いかん。
 健康に恵まれたというのは喜ぶべきことだ。もう少し丁寧に大切にもてなしてあげるべきなのだろう。
 頑丈=がさつ? いやいやそんなはずはない。何しろ私は花も恥らう乙女なのだから。繊細などとは口が裂けても言えないけれど。





/出題「わたしの自慢できる○○」

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