迷宮ロジック
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ムジナ
無題一
まだ誰もまだ知らないところで。
『魔王』は待っていた。 全ての始まりを。
『魔王』にとって全ては虚しかった。 何もかも思い通りになるから。
むしろ思いがけない事態を望んでいた。
そう例えば ばかばかしいまでの悲劇。 むなしいまでの喜劇。
すべての破壊など。
彼らがどこまでやってくれるのか。
お膳立てを整え、役者を揃えた。
『魔王』は現在ただの観客である。
仕切るのは『女王』のみ。
それが『魔王』が自分に課したルール。
これから少しは楽しませてもらえるといいが。
まだ黒いスクリーンを見つめながら 『魔王』はそうつぶやいた。
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