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2002年09月08日(日) 吐き気のもとを吐き出すために

ネット上の、例えば小説などを読むことで、泣いたりすることはあまりない。
笑うことはある。でも、泣くほどの強い影響を及ぼされることはほぼない。
ショックを受けることもそうない。
間違ってアダルトサイトを開けてしまったとしても、「よくあることだ」で事が済む。

しかし今、この深夜にネットを回っていて私は、心から吐き気をもよおしている。
その原因を吐き出してしまいたい。そう強く思うので、とりあえず、ここへ記しておきたい。
誰も見なかったとしても、誰かに伝えられる可能性があるのはここしかないから。

この気持ちの原因は、恐らくひとつではない。
だがそれは、大きく2つの事柄に分けられる。

「盗作」と「荒し」だ。

今の私が最も優先するもの、それは恐らく「ルパン三世」だ。
・・・ちょっと待って、オタクの話をしようと言うんじゃないんだ。
その「ルパン三世」に現在、ある「盗作」疑惑が浮上している。

2002年9月6日に発売された、ルパンのタイピングソフト。
そのパッケージに描かれたルパンのイラストが、あろうことか、あるファンサイトの管理人のイラストのパクリだと言うのである。
もちろん、アドレスもその情報と共に掲載されていたので、実物を両方拝見した。
確かに似ていた。いや、正直、ほぼ同じだった。
ここで私がハッキリと「盗作」であると言い切るのはあまりに危険なので控えておくが、「その可能性がないとはいえない」のは確かである。

その問題により、何箇所かのファンサイトはもちろん、公式サイトのBBSにも、批判的意見が募りつつある。
ルパンファンを自負する以上、気にならないわけは無い。いろいろな意見を、いろいろな場所で見させて頂いた。
「盗作」をした、という疑惑のある作画監督名は明白にされている。
今年のTVスペシャルも手がけた人だ。
もちろん、BBS等での発言の中で、その作画監督の擁護記事など1つもない。
今現在、凄まじい批判の嵐である。
オフィシャル側からは、今のところ何の返答も返されていない。

本当に「盗作」をしたのだろうか。
それは気になるところだが、実際、私が吐き気をもよおした原因は、オフィシャルが「盗作」を行ったという事実を仮定したからではない。
恐らくそれは、「疑惑」そのものに対して起こったのだ。

公式ページのBBSに集まる批判の数々。
その全てが、目に痛い。
オフィシャルを攻撃する書き込みを見る事が、ファンにとって気持ちのいいことであるわけはないのだ。
何故なら、それはあってはならないことだから。
作品は、オフィシャルのみに生み出される。オフィシャルを否定することは、意思ならずも、作品そのものを否定することになりかねないのだ。
ただでさえ、ルパンという作品の成り立ちは複雑である。
最近の作品には、賛成意見は殆どないといっても過言ではなく、昔を懐かしむ声や、改善を求める声、様々な批判。それらが痛烈につきまとっている。

何故そこまで言われながらも、もしくは言いながらも、ルパンという作品を好きでい続けることができるのだろう?
その問いに答えることは、自分でもできないのだ。
いつ見限ってもおかしくない状況まできているのだ。ルパンという作品は。
それでも、どうしても、嫌いになれない。
好きだから、だから、今、涙が出るのだ。

有名になればなるほど、透明な水の中で泳ぐのは難しくなる。
がんじがらめになって、それでも底の見えない濁った水中に沈んでいる、自分の愛する「作品」を・・・・・・もう、見たくないのだ。

実際に盗作があったかどうかはともかくとしても、今はとりあえず、オフィシャルの返答を待ちたい。オフィシャルの対応が、私のこの吐き気を、吹き飛ばしてくれるようなものであることを、期待したい。
ファンと作品=オフィシャルが、通じ合えることを祈りたい。

事件そのものについても考えてみたいとは思うのだが、私は盗作について、意見をいうことができるほどの知識がないのだ。
ファンサイトが著作権を違反しているかと言えば、「言えないことはない」と、それくらいしかわからない。悪意がなければ訴訟の相手にならないのかと問われても、「そう信じたい」と、そう言うしかない。
オフィシャルがあってこそファンがある。
その当たり前の関係が、本来、尊重し合うべき関係が、お互いを縛っているのが、哀しい事実である。



もうひとつは、口で言うだけならいたってシンプルなものである。
ルパンのゲーム関係の公式ページにおける掲示板で、見るに耐えない「荒し」が発生している。
私は、ツリー掲示板の見方がいまいちよくわかっていないのだが、管理側が記事を削除した場合、「削除記事」というタイトルの、内容のカラッポな記事が形として残るらしい。
その「削除記事」というタイトルを使って、ファンによって書き込みされる正規の記事ひとつひとつに、悪意のあふれる返信を行っているユーザーがいる。
つまり、「削除記事」というタイトルを本物だと思ってクリックすると、実際はただの悪口ばかりの書き込みが現れる、という仕組みである。
目にあまる、とはこのことだ。
悪口というのは、言う時も、言われる時も、言葉を見るだけですら、きまって気分の悪くなるものである。公式ページでのそういった行為。目にする人はたくさんいる。
こちらは一言で感情を表せる。「許せない」。怒りを感じる。
更に、(恐らく「いい意味で」、というべき)血の気の多い利用者は「荒し」に対して反論や口論をけしかける。
確かにそれは、無視するにはあまりに、無視するこちらのストレスが一方的にたまるタイプの書き込みなのだ。
しかし、荒しというのは、反応があれば増長するものと相場は決まっている。
しかもその反応によって、次第にどちらが荒しなのかもわからなくなってくる場合が多い。

そのやりとりを、オフィシャルが見てどう思う?

ファンがオフィシャルを見限る前に、
オフィシャルに見限られることになりえないだろうか。

もちろん、現実的に言ってファンというのは「金ヅル」であるので、制作側から突き放すということはまずありえないが、マナーのないファンの存在は、結果として作品の質を落とすことに繋がる。

もうこれ以上、悪影響を及ぼしあうのはやめようと。

一体誰に言えばいいのか。


ゆり |MAIL

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