MEMORY OF EVERYTHING
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破壊され尽くした星 見渡す限りの廃墟
誰が、どうして? ・・・そんなの関係ない。
大切なのは、この星が死んだあとで生まれた命の、その事実。
ヒビの入ったガラスに少し力を入れると、 まわりの水と共に体が外へと流れ出た。 砂っぽい空気 ほこりまみれの地面 ここはどこ? わたしは、なに?
不意に耳をくすぐった空気の振動 見つけた源は壊れかけたレコーダー からからと回るテープから「音」
きれい
これはなに?
聞いたことのあるような懐かしいその響き 理由もわからず涙が出た ・・・それが涙だとはその時まだ知らなかったけれど
震える声で鳴き続けるレコーダーの隣で泣きながらいつのまにか眠っていた
太陽はまた昇ってきた からだは大きくなっていた・・・成長している
レコーダーはならなくなっていた きのうの音色をもういちど聞きたくて 真似をしてみた
けれど 声は出なかった
音の出し方も 言葉も ・・・知らないから
何日も 何日も 経って からだもどんどん大きくなって
ここにいる意味を知った ひとりで生きてる意味を知った
それから
何年も 何年もかけて 星をつくった
全てそろった 全て 足りないものは ヒトと ・・・音楽
からだのつくりはもうずっと変わらず止まっていたけれど わかっていた もうすぐ役目が終わること
何年も 何年もかけて 探し続けた、あの日聞いた歌を
広い 広い 広い 広い 広い 空の下で
歌った
地上に光 ここから光 星に広がって
また 始まる
終わりと始まりがまた、同時にやってきた
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