MEMORY OF EVERYTHING
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2002年08月08日(木) |
行きたくても行けないキモチ。 |
正直なところ。
今まで、本気で欲しいと望んだもので手に入らなかったものはなかった。 もちろん、子供が望むものであるのでそんなに大それたものではないが、 初めはどれも、手に入る可能性は限りなく0に近いものばかりだった。 しかし、最終的に手を変え品を変え・・とでも言うのだろうか。 ほぼ全てが手元に集まることとなった。 妙なところに対して、燃え尽きない情熱と打ち倒れない根性があるらしい。
そんな自分であるので、 「どうしても欲しい」しかし「手に入らない!」という 渇望とでもいうべきものを感じることが、最近になってからは全くなくなっていた。 と、言っても例えば犬なんかは、実際、十年ほどねばって手に入ったものであるので、「やっと」という感はある。子供の頃、どんなに頼んでも聞き入れてもらえなかった時はさすがに「何故なんだ」と苦しい思いをした。
しかし、子供の頃とは違いほとんどが自分の金でものを変える今、そういった辛苦を感じることはほぼないに等しい。
正しく言うと、「等しかった」。
前振りが長くなったが、つまるところ、 今日という日に私は久々、「欲しい」しかし「手に入らない」という図式を痛感することとなったのである。
明日、8月9日は東京ビッグサイトで夏のコミックマーケットが開催される。 ここ数ヶ月、イベントというものから離れ、「もう行かないだろう」とそれ自体に永遠の別れを感じていたのだったが、7月と8月を股にかけるほんの1ヶ月の間に、状況は一変してしまった。
「同人誌」になるべき「ジャンル」から完全に離れたと思っていた自分だが、なんと言う事か新たに「ルパン三世」にハマってしまったのである。 その経緯にはいろいろと考察やら確信やらがあるのだが、ここでは省いておき、とにかく今、私は心からコミックマーケットに出向いてルパンの同人誌が欲しい!! と望んでいた。
しかし先にも述べたように、それで簡単にコミックマーケットに出かけることを決断できるのなら、こんな文章など初めから存在しないのである。 認めたくはないが、私は受験生だ。 しかも明らかに今の時期としては勉学の足りない大学受験生だ。 建前だけになっている危惧もあるが、とりあえず毎日予備校に通っている。 友人からの誘いにも、「時間がない」「遊べない」とことごとく断りの返事を入れている。 更に、親というあまりに厳しい目が張り付いている。
まさかそれまでのように、朝、始発に飛び乗って片道約2時間、1000円以上をかけてビッグサイトに向かえるわけがないではないか。 (しかももちろん明日当日も予備校の授業が存在する)
落胆していた。 コミックマーケットに行けない事がこんなに悔しいと思ったことはなかった。 よく、地方に住んでいて「東京に来られない」と嘆くネット上のファンや友人がいたが、「そうか、残念だね」と声をかけるのは当然としても、それがどんなに歯痒いことなのかと理解していなかった。
行きたくても行けない。 制約のある自分を1日恨んだ。
そんな気持ちを感じた今日。
幸運なことにそれから、買い物を頼める後輩を発見し、心底申し訳ないと思いながらも数冊の本を頼んだ。 (余談だが、この日−今日−はまた、MSNメッセンジャーに初めて心から感謝した日でもあった)
結局、頼んだ本が全部買ってきてもらえるかはわからないにせよ、依頼だけは出来たわけだ。 しかし思う。
『どうにもならないこともあるんだな。』
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