-殻-
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求めて止まない。
どんなに君の奥深くまで分け入っても、 どうしても君とひとつにはなれない。 だからこそ今日も僕は求め、 君はそれを受け入れる。 どこまでも、 どこまでも、 行き着くところがその先になくても、 僕らは求め合い、絡み合い、 融け合うことを夢見て、 進むしかない。 立ち止まって埋もれてしまえば、 楽には違いないだろうが、 それは「緩慢な死」を意味する。 辿り着くのだろうか? 僕らは、どこかに辿り着けるのだろうか? 窓からは、やけに明るい、真ん丸い月が、 秋の乾いた空にきりきりと輝いている。 そのせいか、 いつもは見えるはずの小さな星たちが、今日は見えない。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |