-殻-

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2002年07月23日(火) 残滓

胸の奥から、どうしようもなくこみ上げてくる言葉がある。
なのに、それを具現化した途端に意味がなくなるのを僕は知っている。
そして、君もそれを知っている以上、
満たされないままで行き場を失ったその言葉は、
胸の奥底に少しずつ沈殿して、
腐り果てていくのだ。


そのすえた臭いが、この部屋には満ちている。

僕らは必死で汗を流し、臭いを消そうとするけど、
僕の汗までもが、いや、体液という体液すべてが、
同じ臭いなんだ。


せめてもの慰みに、僕は君の中に残滓を放つ。
君は知らずにそれを飲み込む。

僕は、自虐的な笑みを左の頬だけに浮かべて、君を見つめる。


君は僕の欲望を吸い尽くそうとしているみたいだけど、
残念ながらそいつはただの搾りカスなんだ。
本当に君が欲しいものは、ほら、この胸の中にある。

君がそれを望むなら、
そう、
君のそのナイフを手に取ればいい。

そして、僕に突き立てるといい。


深く、

深く、

抉って探してみるといいよ。



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