-殻-

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2002年07月29日(月) 求める手

僕は今ここにいる君を見ている。

君は何も間違っていなかったと信じたがっている。

僕は全てを肯定しようとする君を憐れむ。

君は愛などないと言う。


薄明かりの中で、君は顔を歪めて、僕に手を伸ばす。

だけどその手は僕には届かず、宙を彷徨う。

その手は何かを求めているはずだ。

それが僕ではないにしても。


君は溢れ出る声を噛み殺す。

シーツに縋り付き、口に押し当て、目を閉じて耐える。

君の薄い身体が捩れ、痙攣する。

僕はようやく君に身を重ね、君の手は僕の背を這う。



君の奥深く、

僕は解き放たれる。


愛などなくていい。

ただ、ひととき夢を見せてくれればいい。


君の手は、僕を抱きしめている。




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しんMAIL

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