ひびたわ。 INDEX|past|will
家中のいたるところで3号のにおいがするような気がしました。 干していった洗濯物、さらには洗う前だった3号の衣類。 (色物だけ2,3日まとめて洗うので、洗ってないのがまだ 置いてあったんですね。それも帰ってきてから気付きましたが) その、3号の匂いがまだする衣類を抱きしめて泣きました。 封を切ったばかりの新しい紙おむつ、片付けてなかったおもちゃ、 毎日座っていたベビーラック、ミルクを飲んでいたマグ、 ご飯を食べていたキティちゃんのお茶碗、コップ・・・・・ 3号が、生活していたその証が、そのままに残っていました。 当たり前です。 先週この家を留守にする前日まで、3号はここで生きて暮らしていたのですから。 元気に暮らしていたのですから。 その夜は結局、寝室では眠らず、別室で主人も私も休みました。 寝室に入るのが忍びなかったことと 警察から戻ってきた布団を干したり出来なかったので。 翌日になって1号が熱を出しました。 1号はわりと発熱しやすく、また疲れが出たのだろうと様子を見ていましたが、 夜になって40度近くまで熱が上がってきました。 それでもいつもなら、朝まで様子を見るなりするのですが、 一度こんな風に、子供を亡くしてしまったりすると駄目ですね。 今までなら余裕をもてたことが、もてなくなりました。 まだ8時過ぎで、近所の病院の夜間外来がやってる時間だったので 連れて行きました。 結局その夜私は、1号と一緒に眠りました。 一晩中、何度も何度も様子を見てました。 翌日も、7度近くまで下がったのに やはり心配でもう一晩、1号と一緒に眠りました。 私も主人もあの日以降、夜中に子供達2人の寝息を確かめてから 就寝する癖がついてしまいました。 週明け、1号をもう一度念のため病院へ連れて行ったあと、 福祉センター(という名称ではないんですが)へ行きました。 3号の医療費の請求をずっとためてあったのでその精算と、 児童手当の資格取り消しの申請のためでした。 抹消用の書類を2通ばかり書きました。 「では、これで処理しておきますので」 紙切れ2枚ばかりで、消えてしまうんだなあ・・・ 健康保険証の3号の名前にも赤線が引かれました。 こうやって一つ一つ、3号がいた形跡が、この社会から消えていく・・・・ そういう数少ないながらの手続きも終え、完全な日常が戻ってくると なによりも、家事が気味が悪いほどスムーズに進んでしまうことに 3号がいないことを思い知らされました。 1号や2号は、まだ幼いとはいえ、もうそれほど手がかかるわけではありません。 寝る間を見計らってしていた家事が、自分のペースでスムーズにできてしまう。 食事の支度一つにしても、足元でじゃれ付く3号がいなければ いとも簡単に終わってしまう。 その、できてしまう、終わってしまうことになんともいえない寂莫感を覚えました。 何度も何度も、3号があの寝室で寝ているような錯覚にとらわれました。 そうして、飾ってある遺影や位牌を見て、現実を確認させられていました。 寂しさとまだ冷めやらぬ衝撃とがないまぜの混乱の中で 私はこの日記を、毎日綴っていきました。 毎日毎日、ビデオが再生されるような記憶を文章にしていきました。 ********************************** 読んでくださって本当にありがとうございます。 大変長くなってしまいましたが、ようやく一応の区切りがつけられる めどが立ってきました。 もうしばらく、お付き合いいただけると嬉しいです。 もうしばらく続きます。
INDEX|past|will ひびたわ。はmy登録を非通知にしています。 my登録してくださっている皆様、本当にありがとうございます。 |