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遺書と屍
羽月
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2008年07月08日(火)


知ってたよ、あの子が傷つくってこと。
ろくな人間じゃないって、会ったことないけど話だけでわかった。
いつもあの子は泣いてる。
でも、わたしにできることはひとつもない。

わたしはあの子の何でもないし、あの子はわたしの忠告なんて聞きやしないのはわかってた。
泥沼に突っ込んでいくのを知ってた。
でも、わたしあの子を止めなかった。
知ってたから。あの子が止まらないってこと。言っても無駄だってこと。
あたしが何を言ったってあの子の心には残らないってことも。

だから、知ってた。恋をしたこともないわたしが、このままならあの子が傷つくってほんとはずっと知ってた。
止められたのはわたしだけなんて、思い込み。
そんなはずないよ。わたしじゃ無理だった。
あの子はわたしの言葉は聞かない。ずっとそうだった。
ずっと、そうだった。
だから、わたしはあの子にかける言葉を持ってない。