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私はパソコンの前では眼鏡をかけている。 眼鏡ケースの中には、眼鏡をふく布が入っているのだが、さらにその下にはメモ用紙程度の大きさの紙と映画の券の片割れが入っている。
昨日の夜、眼鏡をかけたときに久々にそのメモ用紙をひろげてみようと思った。
何が書かれているかは知っている。 でも久々にそれを読んでみたくなった。
それは昔旦那からもらった手紙だ。 何かのついでに添付された手紙だったのでメモ用紙程度の大きさなのだ。
「今度一緒にカラオケにでも行きましょう。」
という、そんな内容のお手紙だ。その他にも、ボクはグローブのマークパンサーの部分が歌えますのでその時はデュエットしましょうとか、色々こまこまと小さな紙の上に書かれている。
あの時は
「マークパンサーの部分が歌えるなんて妙な人だなぁ。」
と思いながら読んだ手紙だった。
結婚して分かったことなのだが、旦那は文章を作るのにとてもとても時間がかかる人なのだ。友達からのメールの返信も自分の文章に対し、誤字脱字がないかのチェックから始まり、失礼のない内容かなどなど、あらゆる角度から確認をしてやっと送信ボタンをクリックしている。
だからさりげなく書いたようにみせたあのメモ手紙は、実はすんごく時間をかけて心をこめて完成させたものなのだ。
昨日読み返したとき、
「ああ、そっかぁ。これはすんごく時間かけた手紙なんだぁ。」
と今更ながら気づいた。 気づいた瞬間、旦那は台所で紅茶をいれていたのだが紅茶をいれる姿をみて
「なんてかわいいヤツなんだ。」
と思った。
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