「暗幕」日記

4作品のドラマが収録されてますが、このログは「会長はメイド様」についてのみです。

ヒロインは放課後メイド喫茶でアルバイトする苦学生。元男子校で生徒会長をつとめるりりしいタイプ。彼女の放課後の顔を知った同級生男子碓氷は、ヒロインにセクハラをかますメイドマニアの変態男。今回のドラマは、セクハラの矛先が副会長の可愛い男の子・ユキムラに大部分移っているので、前作より安心して聴けます。
メイドのコスプレごっこ自体、社会的に低い立場のメイドから一層奉仕してもらおう、という装置なので、こういう設定が他ならぬ少女誌に載る事実が、社会の中で少女達が置かれている立場を如実に表していると思います。ストーカー碓氷は容姿も声もイケてる二枚目（らしい）で、そんな彼につきまとわれて求められる、というドキドキを体験するだけの設定。
冷静に考えれば生身の高校生男子はいつまでたってもキスさえ許してくれない女の子にいつまでも執着するわけもなく、碓氷に相当する彼氏を引き止めることに成功したとしても、両想いの穏やかな幸福を楽しむ以前に現実にはヒロインはあっさり妊娠してジ・エンドにならざるを得ない。こういう想像から逃れられない私はこの作品に向かない読者なのでしょう。少林寺拳法を習っていて腕っぷしに自信のあるヒロインが碓氷相手に拳を打ち込む描写もない（碓氷は肉体派でもあるらしく、うまくかわされてしまう）ので、カタルシスにもならないし。
声優さんの演技はさすがです。雑誌の付録にしては豪華なドラマＣＤだと思います。ですが、ドラマＣＤ目当てで買う人とコミック作品の内容は合ってないと思いました。

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