女の世紀を旅する
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2003年09月06日(土) |
金正日の「独白録」 対日戦略 |
金正日の「独白録」 対日戦略 2003.9.6
以下は,朝鮮総連の議長・許宗萬(ホジョンマン)らとの会見(1998年4月25日,2000年3月1日の2回)で,金正日(キムジョンイル)が演説した内容を講談社「現代」編集部が極秘に入手したものである。金正日の本音の世界初公開となる。
この独白録から,金正日の対日認識がどの程度のものかが,透けてみえる。対日認識も幼稚で,浅薄きわまりないことを露呈している。また,その言葉の,なんと独善的,冷徹,傲慢,無責任なことか。在日同胞や日本人妻への差別を批判して,一見,ヒューマニストぶっているが,多くの同胞を収容所で死に追いやったのは,金日成・金正日父子ではないか。その責任から逃れようと,今さら理解者ぶった言葉を述べても,その罪の大きさから逃れることは出来ない。こうした異常な独裁者とその社会主義ファシズム体制の下でどれだけ多くの国民が恐怖に晒されてきたか,以下,この冷酷な指導者の言葉を吟味していただきたい。本人は,知日派であることを自負している。
金正日は,ヒットラーを例に出して,「かつてヒトラーも内務省や宣伝省とともに,ナチスに専門的にデマを作って流す保安諜報部を設置し,数知れない悪行を働いた。」と語っているが,それと同じ行為を国民に対し,金正日自身もやってきたのでなかったのか,ナチスと同じようなことをやってきたではないか,開いた口がふさがらない。
そういえば,ナチス NAZIS の正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」であり,国家主義と社会主義を結合させた労働者の結社であったことを忘れないでおきたい。
ファシズムの本質は,国家社会主義であったことに,われわれ日本人も気づく必要がある。あの画一的な,一糸乱れぬマスゲームを見ればわかるように,「平等」の名のもとに,民衆には個人的な「自由」や人権は一切認めていない全体主義体制を,われわれはファシズムと呼んでいるのである。その点でも,国家社会主義のナチスの体制とそっくりではないか。
以下,金正日の「独白録」から,彼の人物像を判断してもらいたい。
【金正日の独白録】 抜粋
●対日戦略
アジアにおいて日本を無視してはならない。歴史的にも中国も日本との関係を重視してきた。毛沢東は抗日戦争後,日本に背を向けるよりは,「親善」を画策して交流するポーズをとるほうが得策だと考え,日本を抱きこむ戦術に出た。当時の周恩来総理は,廖承志(中日友好協会初代会長)をピエロに仕立てて,対日関係を巧みにコントロールした。胡耀邦や趙紫陽も中日友好を掲げて対日関係を改善していった。さらに,抗日将軍と呼ばれたトウ小平までもが日本の天皇に会いに行った。
しかし,今日の中国の対日外交政策を見ると,過去との変化が顕著となった。アメリカを牽制しながら日本までも無視している。もう少し見守る必要があるが,中国のようなやり方は間違っていると思う。いまの中国人は(経済不況の)日本をあまりに近視眼的にみている。
現在,アメリカや日本,南朝鮮(韓国)を見ると,われわれが「先軍政治」(軍事優先政策)を全面にかかげ強く主張した時点から,われわれに対してより一層,低姿勢になって擦り寄ってきた。アメリカの奴らが腰を屈めて近寄ってきたので,日本や南朝鮮の奴らもわれわれに対して,どんな物資でもすぐに提供しましょうと申し出てきている。特に南朝鮮が一番焦っている。 われわれは以前,平均主義的な外交戦術を取ってきたが,それを近年は,「先米日・後南(朝鮮)」という戦略路線に変えた。 その結果,もっとも慌てふためいたのが南朝鮮の奴らである。われわれが,日本との関係を修復した後で南朝鮮問題に取り組むという姿勢を示したら,南朝鮮の奴らはわれわれに全身全霊,媚びを売るようになってきた。 金大中は,来る総選挙(2000年4月13日)を前にわれわれと友好関係をたもって,国会で与党民主党が過半数を占めようともくろんでいる。
日本の奴らも同様である。日本はわれわれに平身低頭して擦り寄り,わが国が要求する食糧を無条件で提供すると言ってきている。過去にわが民族をあれほど蔑視し見下してきた日本の奴らが,いまやわれわれになんでも捧げましょうと申し出ているのだ。
それで私は部下たちに,今後日本はわが国に(植民地支配の)被害補償金を提供するはずだから,それはそれで受け取り,くれぐれも食糧援助分の中に含めてはいけないと釘を刺しておいた。日本の奴らは元来,狡猾だから奴らにさらりと騙される恐れがある。食糧は食糧で受け取り,補償金は補償金で受け取ることだ。
●日本の社会分析
金丸信の業績は,日本に社会秩序を維持し,社会環境を保護する体系を打ち立てたことだ。ところが,金丸亡き後,日本はもとの混乱状態に戻ってしまった。
日本では最近,不況を反映して種々雑多な事件が起こっている。中学生が刃物で先生を刺す事件が増え,昔の日本にはなかった社会的不安定な状況を招来している。 たとえば,最近の日本製品のカタログを見ると,「月払い」と銘打っているものが多いが,こんなことは昔はなかっただろう。取るに足らない商品までも「月払い可能」としているのを見ると,商品がよほど売れないようだ。
元来,日本の奴らには創造性がない。その代わり他国の製品を輸入し,真似たり改造したりして日本製品にしてしまうのに長けている。ある時,首領様(金日成)におかれては,日本の奴らを称して,「あいつらの設計で作ったのはリヤカーだけだ」と喝破されたが,至極名言だ。
いまは日本の景気が悪いので,人々がパチンコ屋に入っても金を使わない。それでもパチンコの年間売上げは30兆円というから,恐るべき産業だ。パチンコ産業の従業員の7割が朝鮮人で,その中で総連の同胞が3人に1人としても,パチンコ業界が総連同胞の商工業者たちの根幹を成しているといえるだろう。
日本の奴らのコンピューター技術の類いは,アメリカの奴らに全面的に縛りつけられている。以前,日本の首相がアメリカへ行き,「最先端」のハイテク技術が欲しいと言ったが,アメリカの奴らは断固突っぱね,「一代遅れ」を持って帰って使えといった。このため現在,日本の奴らはどれほど豪華なコンピューターを生産しようと,その技術は一代遅れだから,それ以上の発展はおぼつかない。南朝鮮の奴らに至っては日本の奴らに「最先端技術」を出してほしいといっているのだから話しにならない。アメリカにある日本の会社は総崩れだが,ソニーだけはアメリカで業績を伸ばしている。それは,アメリカの軍需工場にソニーが付属品を提供しているからだ。
総連はこれまで同様,「群衆政治事業」(日本を親北朝鮮化させる工作活動)を巧みに進めていかなければならない。総連は50年代から60年代にかけて群衆政治事業をうまくやった。そのおかげで,日本社会では,歌舞に秀でた民族というと,朝鮮人である。
私は以前,映画「男はつらいよ」を見たことがあるが,朝鮮人たちが歌ったり踊ったりする場面があった。それで,その映画の製作を総連が手伝ったかと思い,わざわざ調べさせたところ,手伝ったのは「民団」(在日本大韓民国民団)だというではないか。「男はつらいよ」の山田洋次監督は中国の東北地方に長く住んでいたので(16歳で旧満州から引き揚げた),朝鮮人の風習を熟知しているようだ。
●在日帰国者,日本人妻差別
私は在日帰国同胞や南半部(韓国)出身者を差別したりいじめたりしたことはない。それにもかかわらず,現在,在日帰国同胞や南朝鮮出身者との事業はうまくいっていない。
一部の帰国同胞たちは,せっかく祖国へ帰ったのに日本にいたときと変わらず差別を受けるので,帰国した甲斐がないという。 子弟の朝鮮人民軍への入隊や朝鮮労働党への入党が許可されないという提起も受けた。そこでこれらの差別を撤廃したが,いまだに帰国者同胞との事業はうまくいっていない。日本から祖国に戻ってきた同務たちは,平壌冷麺が食べたくて帰国したのではなく,ただただ首領様(金日成)の懐が恋しくて帰ったのだ。正直いって彼らはそのまま日本で暮らしていた方が,豊かに暮らせただろう。しかし,彼らは祖国への船路が開かれると,迷わず首領様の懐に飛び込んだのである。そんな彼らを祖国の偏狭な人々は「帰国者」と呼び,色眼鏡で見てきた。 もちろん弱肉強食の資本主義社会で生きてきた同務たちに欠陥がないとはいえない。暴力好きで無礼な日本の現状を見れば,そういった過ちを犯す帰国者の若者がいるのも事実だ。
帰国船第一号の到着後,祖国で生まれた子供はもう40歳になるが,彼らやその子供たちにまで帰国者というレッテルを貼るなどとんでもないことだ。
夫に付き添って離日し,共和国の懐に抱かれた(朝鮮に帰化した)日本人妻に対しても同様である。一部の人民は日本人妻を差別し,のけ者にしている。彼女たちは日本では夫が朝鮮人だといって蔑視され,わが国に来てからは日本人ということで差別を受けている。彼女たちは日本から追放されてきたも同然なのに,なにゆえ狭隘な心で接するのか。 (以上)
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