女の世紀を旅する
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2003年08月14日(木) |
《 善と悪について 》 (世界の文学者の格言) |
2003.8.14
この夏の陽気はたしかにおかしい。
昨日からお盆の祭事に入ったが,台風一過の猛暑もつかのま,夏のさかりにこの寒さはなんだ!,尋常ではない。
今年は日本列島,梅雨明けが遅かった。好天を約束する“梅雨明け十日“もなかった。おかしな天気は日本だけではないらしい。ヨーロッパでは一昨日,41度に達する最高気温におそわれ,スイスの氷河が溶けだしたというし,フランスでは熱波死者が100人も出たという。中国の上海でも熱波。確かに地球規模の気象異変が起きている。地球上のどこかが寒ければどこかが暑くなり,どこかが少雨なら,どこかが豪雨になっている。大きな目で眺めれば地球は温暖化の方向へ進んでいるのはまちがいない。
青空にわきあがる積乱雲をあおぐ夏はどこへ行った。
《 善と悪について 》(世界の文学者の格言)
1.好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。 第一に歓喜を語るのによい。 第二に不平を訴えるのによい 第三に――いてもいなくてもよい。 (芥川竜之介『侏儒の言葉』)
2.世の中には善人とか悪人とかがあるわけではおそらくあるまい。ただ場合によって善人になったり,悪人になったりするだけである。 (アンリ=ド=レニエ『半面の真理』)
3.謙遜は,人の賞賛をいやがるように見えているが,実はもっと婉曲にほめられたい欲望にすぎない。 (ラ=ロシュフーコー『箴言と省察』)
4.われわれの悪は,すべてわれわれがひとりでいられないことから生じる。そこから,賭け事,奢侈,放蕩,酒,女,無知,悪口,羨望,自己と神との忘却が生まれるのだ。 (ラ=ブリュイエール『人さまざま』)
5.人間の本性は「善」である。なぜなら,人間は忘れっぽく,なまけ者で軽々しく信じ,浅薄であるからである。 (ヴァレリー『ありのまま』)
6.悪は必要である。もし悪が存在しなければ,善もまた存在しないことになる。悪こそは善の唯一の存在理由なのだ。 (アナトール=フランス『エピキュールの園』)
7.はたして人は,不徳なくして徳を,憎しみなくして愛を,醜悪さなくして美を,考えることができるだろうか。 実に,悪と悩みとのおかげで,地球は住むにたえ,人生は生きるに値するのである。 (アナトール=フランス『エピキュールの園』)
8.うわべになにか「徳」のしるしをつけないような素直な「悪」はない。 (シエイクスピア)
9.どんな性格でも二で割れる。なぜなら,善と悪とはいっしょになっているから。 ところが,悪意は癒しがたく 善意は子供のうちに死んでしまう。 (ケストナー『抒情的家庭薬局』)
10.一つのものが同時に善であっり,悪であったり,そのいずれでもなかったりすることがありうるものである。 たとえば,音楽は憂鬱な人には善であるが,喪に服している人には悪であり,つんぼの人にとっては善でもなく悪でもないものなのである。 (スピノザ『エチカ』)
11.必要でないときに偽るのは罪悪であり,卑劣である。やむをえぬときに偽ることで自分も他人も助かり,幸せになったりするのであれば,偽りも美徳である。 (クライスト)
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