ふうこの英国留学日記-その後

2002年04月11日(木) コッレール美術館

結局、昨日も遅く寝て、疲れていた私は今日は7時半過ぎまで寝ていた、今日はサンマルコ広場で9時集合。鐘楼と広場について、ヴィタが説明し、その後サマンサがヴェニスの有名建築家サンソビーノによる、広場に面する国立図書館の建物についての説明をする。
今朝はものすごく寒い。2月のイギリスかとおもうような天気。マギーも寒いので中で話そうと提案してくれ、コッレール宮の美術館のカフェでマギーの講義を聞く。
その後、コッレールの美術館に入り、最初の数部屋だけをみんなでまわって、あとは解散。自由に見て、質問があったら私に声をかけてとのこと。
3階の絵画館にはベッリーニやマンテーニャ、カルパッチョの名作があり満足。マギーとも、ベッリ―ニの間で偶然出会い、聖母子やベニスの提督ドージェの肖像画などについて質問することができた。
また、ベニスの印刷物についてのエッセイを書き終えたばかりの私にとっては、ジャコポ・バルバーリの1500年に制作された、ベニスの全景の木版の版木とプリントの両方を並べて見ることができたのがとても嬉しかった。
Mも言っていたが、美術館でエッセイで取り上げた作品を目の当たりにすることは、私たちにとっては、とてつもなく嬉しいことで、しかも、自分が書いたり、資料で読んだことを実際に自分の目で確かめられるこの上もないチャンス。こういうときは、フィールドワークって本当に意味があるなあと思う。百聞は一見にしかずというのは、体験主義的で避けたい言葉だけれど、(経験をしたくてもできない人間にとって失礼だと思う)、画集であきるほど目にしている作品も、やはり本物を目にしてみると理解できるものがあるなとどうしようもなく、感じてしまった。
特に、15世紀の画家、カルパッチョに関しては、ここコッレールにある、二人の貴婦人の絵がヴェネツィア絵画の傑作として有名だが、いままでこの作品がなぜこんなに高い評価をうけるのか納得がいっていなかった。しかし、今回改めて本物を見てみると、やはり、貴婦人の微妙な表情や犬の視線など、とても面白い味のある絵。犬や貴婦人の態度や表情、彼らの身につけている装飾品が(犬の首輪のみごとなこと!)ヴェニスの富裕さとそれゆうえの倦怠や退廃を表しているかのようで、見事だと思った。
コッレール美術館を見終えるともう1時近くだったので、またアカデミア方面に向かいながら美味しそうなバールを探す。そこで、魚介のマリネサラダとフェトチーネのお昼を食べる。こういうお店はイタリア語しか通じないし、メニューもイタリア語だけだが、安くて美味しい。来ている人もイタリア人ばかりだし、地元の人のたまり場なのだと思う。
こういうお店で、今日のパスタとかを注文して食べているとだいぶ、イタリアに慣れてきたなと思う。
しかし、今朝の寒さのせいか、睡眠不足のせいか、いまいち疲れ気味。雨も降り始めたし、私は教会を見に行くというMと別れて、スーパーで日用品と食料品を買ってアパートに戻ることにする。
アパートに帰って、日本の姉に電話してベニスについての情報を交換、また姉の知人Hさんからのことづけをつたえる。姉は数年前に仕事でベニスに三ヶ月以上滞在していたこがあり、さすがに詳しい。また、観光客にはマイナーだが見ておくべき、絵画や建築などを教えられ、メモる。
その後、本を読んでいたら眠たくなったので寝てしまい、寝汗をかいて目が覚めた。少し熱っぽい。ベッドの中で塩野七生の「海の都の物語」を読んでいるうちに、Mが帰ってきて、8時にはまたコンサートに行くと言って出かけて行った。私も行きたかったが外は雨で、まだ熱っぽかったのでやめておいて、部屋で読書。9時過ぎにお腹が減ったので、パスタ(チーズ入りのラビオリナスをズッキーニとトマトとオリーブオイルのソースで食べた)を食べテレビで音楽番組を見たあと(MTVが見れた)また読書しているうちに11時近くにMがびしょ濡れで帰ってきた。コンサートは良かったが、また横殴りの雨で傘が壊れそうになったとのこと。
私の熱っぽさもおとなしく家にいたらだいぶましになったみたい。今日はもう、寝ることにする。


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