ふうこの英国留学日記-その後

2002年04月07日(日) 素敵な日本人女性とは?

今日は日曜日、お店や教会も閉まっているところが多いので、のんびり過ごすことにする。
8時すぎ起床、8時半朝食。9時にベネツィアに住む知人Hから電話があり、今晩の食事は彼女の家で食べさせてもらうことに。
予約していたレストランをキャンセルし、10時まで朝寝。それから日本語の使えるインターネットカフェを見つけ、日本へメールを2通送る。
そのあとは、ヴァポレットに乗って、アカデミアへ行き、その裏にあるザットレから明日から泊まるジュデッカ島のアパートを下見に行くことに。最初はなかなか見つからなかったが、Mがアパートの住所表示を見つけ、中庭に入ってみたら、なかなか閑静な住宅地。素敵な雰囲気に二人ともここに10日も住むのかと喜ぶ。
なんとなく来たヴァポレットに乗って、外回りで本島のローマ広場まで戻り、ホテルに戻る道筋でトラットリアを見つけ、パスタの昼食。海老とアスパラガスのパスタと、ペンネアラビア―タの2種をMとシェアする。
その後、寒かったので、ホテルに戻って、マフラーをまいてMと別れペギーグッゲンハイムへ向かう。
カ・ドーロの乗り場を見逃してしまい、まあいいかと思ってリアルトまで行ったら、偶然にもゼミメイトのRとHが通りかかったピッツェリアのテラス席に座っているのを見つける。食後のコーヒーに加わり、雑談をしながら情報を交換、彼らはメールチェックをしておらず、先生の携帯番号と集合時間を知らなかったので伝える。
先生と一緒に、その彼氏の先生も来てるらしいと言うと、おお、と驚いていた。そこら辺で会いたくないねーと、笑っていたのだが、HとRと別れて、ペギーグッゲンハイムへ着いてまず、入った最初の展示室にその先生カップルの姿。
こんな偶然もあるものかと思って、笑ってしまったが、明日の集合場所の確認をさせてもらった。
その後、1人でゆっくり作品を見てまわり、ミュージアムショップで自分用の折りたたみ傘と友達へのお土産を買う。
そのあと、近くのトラゲット乗り場から渡し舟に乗ってアカデミア側からサンマルコ広場側へわたり、Mと待ち合わせていたサン・ザッカ―リアのヴァポレット乗り場へと急ぐ。
しかし、待ち合わせの場所にMは現れず、30分以上も会えずにずっと待つ。ようやく現れたMは待ち合わせの乗り場を間違えていたらしい。すぐ隣の逆方向の乗り場の周りでずっと待っていたという。
とりあえず、ヴァポレットに乗り、Hさんの住むリド島へ。約束の時間より早めだったのと、Mが寒いというので駅前のバールで暖かい飲み物を飲みながら暖をとる。
7時に彼女に電話し、迎えに来てもらい、彼女の家へ。イタリア人と結婚してリド島に住んでいる彼女住むのアパートはそれは素敵なところだった。大理石の上に敷かれたアンティークの絨毯。家中を飾る、ベネツィアングラスと絵画の数々。高い天井からはシャンデリアが下がり、バルコニーからはサンマルコ広場が見える。アパートの三階とは思えない広々した空間はちょっとしたお屋敷といった感じ。中でも、ベネツィアンガラスの有名職人を多く友達に持つ、ご主人のベネツィアンガラスのグラスコレクションは美術館レベル。17世紀のアンティークなどもあり、ご主人も他のものは売ってもいいが、これだけは誰にも譲れない。と言っていた。他のものは作家を知っているので、また注文できるが、阿1600年代に作られたこの器はもう、手に入らないからね、と。

Hさんの用意してくれた食事とデザート、そしてワイン!!は美味しく、大満足。中でも、太くてやわらかいこの地方特産のホワイトアスパラガスと卵を使った料理はシンプルながらも、今まで食べたことのない優しい味。ご主人のお姉さん手作りのラザニアもとても美味しかった。
ついついHさんとの話しに夢中になってしまい、気がつくと10時半。お礼を言って、ヴァポレットに乗り、ホテルに戻るともう12時。
イタリアに長く住むHさんと話すとなんだか、いろいろ考えさせられることが多く、私にとっては印象深い再会だった。初めてベネツィアに来て、彼女に会ったときは、こうしてまた長い間ベネツィアに滞在できるとは思ってもいなかったが、彼女に「よくベネツィアに戻って来たね」と言われて、なんだか、はっとするものがあった。
そういえば、前回のベネツィア滞在が私の人生に対する態度を変え、今に至る道筋をつくった基となったのかも知れない。私は様々な理由や動機、そして、自分では選ぶことのできない何かの力で今、こうしてベネツィアに戻ってきた。
それは、自分の望みがもちろん一番大きいが、なにか、縁のようなものを感じる。
人生に何が起こるか、特に未来のことは自分ではわからない。しかし、自分の欲求と計画性と、その他の要因が重なって、こうなったらいいなと思ったことが、それが普通に考えたら実現不可能なことであったとしても、そうなる可能性も無いわけではないのだなあと
不思議に思った。
人との出会いや結びつきは、人を思わぬ方向へ動かす、それは時に喜びはもちろん、悲しみも運んでくる。あとになって振り返るとすべては収まるべき方向へ結局は動いていると感じるが、私は私の人生に起こること、自分で選べるもの、選べないものに対する態度がまだ定まらない。こういう態度で人生の出来事に対していくというような、方針のようなものが定まればいろいろあっても、もっと落ち着いて人生に向かっていけるのかもしれない。そういう、自分なりの人生哲学のようなものがもてればいいと思う。


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