どうしても、彼のことが気になって、電話してしまった。 二日前とはうって変わって、元気そうな声。 ひどかった風邪と耳痛はなおったのかな?
「あの日、電話のあと、割れるように耳の奥が痛くなって。医者行ったら中耳炎だって。」
そっか、中耳炎だったのか。
もう大丈夫なの?
「うーん、また医者に行って抗生物質もらわなくちゃいけないんだけど、だいぶよくなった。まだ、くぐもって聞こえるけど」
そっか、良くなったんだ、良かった。心配だったから
「ふうは大丈夫?」
大丈夫、って私のこと? うん・・・ そうそう、昨日、手紙投函したから・・
「うん、ありがとう。手紙、楽しみにしてるから」
たった、こんな感じのたった5分の会話。 彼の声は、なんて温かく私に響くのだろう。耳からはいった彼の声は、そこから私の体の芯まで届いて、なかから私を温めるように感じる。
彼の体調が回復しつつあることに、私は本当に安心して、その元気そうな声を聞くだけで、とても満たされた気持ちになる。
たぶん、誰も、私をこんなふうに温めることはできない。彼以外に。 たぶん、こんなふうでは、私は彼をあきらめることはまだまだ出来そうにもないです。
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