風のひとり言
kaze



 サイクリング

「ねぇ見て!白いタンポポだよ!」
背後から聞こえてきた娘の声に、
ペダルをこぐ足を緩めた。

快晴の日曜日。
久しぶりに家族総出でサイクリングと洒落込み、
10卍離れた都立公園に向かう途中の出来事だった。

「白いタンポポって東京では珍しいんだよ」
学校の勉強そっちのけで、花のことには妙に詳しい娘の説明に、
半ば頷きながら、家族全員がその小さな花に目をやる。
「本当珍しいね。私も見たことなかった」と女房。
「白いタンポポだぁ〜」とはしゃぐ次男。
「・・・」興味なさ気にただ見ている長男。
反応は様々あるものの、こうしたひとコマも、
「家族」として大事な瞬間かもしれない。
そんなことを思いつつ・・・
「自転車こぎながら路傍のタンポポを見つける娘って・・・」
まぁ周りに気を配ることはいいことだけれど、
決して自転車の運転が上手といえない娘の、これからに一抹の不安もよぎる(笑)

公園に着くと、あちらこちらに桜の絨毯が敷かれている。
今年の桜の開花期間が例年より長かった(らしい)せいで、
散り際の花見を楽しむことも出来た。
風に舞う桜の花びらを追いかけながら娘、
「飛んでくる花びらを手で取ってお願い事をすると、それが叶うんだって」
それを受けて女房、
「そうそう。でもその花びらを誰にも見せてはいけないんだよ」
どうやら昔より有名な話らしい。
が、ここで次男が一言。

「花びらが願い事を叶えてくれるわけないじゃん」

次男@先月5歳になったばかりは、妙に現実的というか、夢がないというか・・・
まぁそれを聞いて爆笑したのは言うまでもない。

休日となると、車で近所まで買物が定番であった我が家において、
こうして家族全員で遊びに出かけることは、数える程度でしかなかった。
それをあからさまに「不満」とする者がいなかっただけに、
自分もその生活に甘えていたのかもしれない。
が、こうして家族全員で自転車で出かけ、路傍の花に見入る姿は、
やはり「今」しか得られないものであると確信する。

「今」しか出来ないことを「今」やる。
それは仕事においても私生活においても通じるものであり、
事に子供と接する時間というものの大切さを、痛感した思いでもあった。
お金をかけるだけが「遊び」ではない。
勿論子供たちは「遊園地」や「動物園」、「旅行」や「ボーリング」などにも
行きたいであろう。
しかし「遊び」はそれだけではない事、
何より「一緒に同じ事をする」事が大事であるということを、
それぞれがわかってくれればと願う。

「たかがサイクリング。されどサイクリング」である。




2004年04月12日(月)
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