風のひとり言
kaze



 クラス通信

娘の通うクラスで配布されるクラス通信がある。
これは娘の担任がクラスにのみ発信するもので、学年便りなどとは全く別なものである。

このクラス通信は先生の手書きで書かれている。
これには大きな意味があると思う。
PCなどを使い、規則正しく整列された文章からは暖かさは生まれない。
かつて友人がPCの文章は文字ではなく記号だと評したように、
その文面からは書いた本人の人柄が伝わりにくい。
同時に、ものすごく目立つ。
実際に手紙類の中で手書きのものがあると、つい手を止めて見いってしまうこともあるものだ。
そこまで考えた上で、担任の先生は手書きで書いているのかもしれない。

中学二年生ともなると、大人への意識も芽生えるもの。
抱える将来の希望や不安なども溢れてくるだろう。
そうした生徒に対して配布するものは、そんな不安などを払拭させるような内容ではなく、
大人になっていく本人たちに助言を与えてくれるもの、きっと役に立つものばかりである。
同様に、親として、大人として、社会人として改めてこのクラス通信を見たときに、
忘れていた何かを呼び覚ましてくれるような・・・そんな指針めいたものにぶつかることもある。

以下は先日配られたクラス通信を全文転載。

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<YELLOW FLAG> 

五月も半分すぎて、二年生の生活もあっという間に1/10以上がすぎた。
時間や日々はみんなをまってくれない。
でも「今日は昨日の続きで、単に明日という日の前の日だ」
なんて言って楽な方に流れている人、
そういうダラッーとした生き方を願っている人たち。(君はちがうかな?)
別の生き方をしてみないか?
ひたすら楽にすごすだけではなく、別の考え方もあることをちょっと思ってほしいのです。
自分を大切にする生き方。
自分の心に正直な生活、そんなものをぜひこの二年生のうちに身につけてほしいのです。
題して「な・に・く・そ」根性
それは・・・

物事をすぐなげ出さない
  ちょっといやなことや、苦しいことがあると
  「もういい」と言ってやめてしまうことはないだろうか?

物事からにげない
  自分が今やるべきこと、やらなければいけないこと、
  やった方がいいとわかっていることからにげてないか?

すぐくさらない
  人間だれしもミスや失敗がある。それを素直にみとめて、
  次に生かす・・・のでなく、すぐにふてくされてごまかしてないか?

正直な心に、自分の心にそむかない
  本当はこれはダメなことだ・いけないことだとわかっているのに、
  それのほうが楽だから、たのしいから、おもしろいからというだけで
  自分の心をごまかしていないか、だましていないか?

こういうことを見ると、「うるさいな〜」「わかっているからいいよ〜」
なんて思っている人、君。それは逃げだよ。カッコ悪いよ。
自分の心をいつわっている。
やっぱ弱虫だよ。

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決して飾らない書き方であり、子供たちに対して見下したり押し付けたりする態度ではなく、
実に的を得たことをストレートに表現している。
実際に自分が読んでみて「そうだよな」と改めて認識させられた部分も多く、
特に現在の自分の置かれている状況とオーバーラップさせることで妙に心に響いても来た。

こんな基本的なことすら忘れていた自分に腹を立てるのと同時に、
それすら出来ない、気付かない大人が実社会に多くいる現実。
この現実を、そんな大人が蔓延している社会を、一体子供たちはどう感じているのだろうか?
そこまで考えさせられるものでもあった。



2003年05月21日(水)
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