更新とつぶやき
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2004年01月10日(土) 大阪・文楽


朝五時起き!!

いつもギリギリまで寝てる自分が…がんばったさ…

もちろんバスの中で爆睡。
大阪行きの列車は、始発が遅いので間に合わないためバスで行く。
六時発だったんですが、五時半発なんてのもあるんだよすごすぎる。

ついたらダッシュで日本橋の文楽劇場へ。
もう当日補助席の発売は始まってて(満席だったので補助席が出てた)、しかしとてもいい席が手に入りました。
前過ぎず後ろ過ぎず。

まずは「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」。
これ、能楽の「翁」の文楽バージョンなんだね?
三味線も華やかだし、ものすごいにぎやかで面白い。
能だと狂言の人が舞う(三番叟の場合は踏むという)三番叟は、人形が二体出て、扇や鈴を持って激しく踏むわけです。んでも、一人がばてちゃって扇で扇いだり、それをもう一人が鈴でどついたりと、笑いどころもあってかわいらしい。
能はまさかこんなことはないだろうけれどなー(翌日の能でも翁を見るよていだったので)と思いつつ。

次は「お染久松染模様妹背門松」。まあ、お店のお嬢さんと恋に落ちた丁稚の話です。でもってお嬢は縁談があるんですが、もうおなかにはあなたの赤ちゃんが!状態。
で、丁稚の久松のお父さんが年末に奉公先に来て、お嬢に手を出した息子に折檻するのが山で、そこを竹本住大夫さんが語るんです。ここを聴きに来たのよアタシは!

すごすぎ。

泣きそうになった。
なんですかあの世界の作りようは。あのね、やっぱり人形だから、最初はなんかなじめない。でも、あるときいきなり人になる。なんかちっさいけど、でも人になるんだよ。なんだよすごいよ文楽!
んで、久松の父親が涙ながらに不忠義を責めて、息子が寒かろうと自分は素足なのにわざわざ買ってやった皮足袋で折檻するんです。泣ける。
住大夫さんももうええおじいちゃんなんで、最初はその声にも違和感あるんですが(ご自分でも言ってらっしゃるけれど、ちょっと悪声…)、でも入り込ませてしまわれるんですよ、客を。なんなんだよもう、すごすぎるよ!

そんな場面なのに、所々笑いも入れてあるから、もうなんか、すごいなあと。
こうでないとなあ。

最後に「壇浦兜軍記」の、「阿古屋琴責の段」。
馴染みの男が源氏に敵対しているという遊女阿古屋が、代官に男の居所を訊かれるんですが、それを訊くにも拷問とかじゃないわけです。楽器を演奏させて、その音色で女が本当に知らないかどうかを訊く、というなんとも風流な。
んで遊女だから、衣装がものすごい派手で綺麗で綺麗で綺麗でうっとりザマス。
実際彼女が演奏する楽器は、床で演奏されるわけです(三味線と琴と胡弓)。
それがまた、ぴったり合うわけですよ。不思議ですねえ…
んで動きもいいかげんなものじゃないの、本当にちゃんと演奏しているの。

これに限らず、どの人形もすごいんだよ動きが。
あの折檻するおとうちゃんも、下手な役者よりよほどうまいくらいだよ。
息子を皮足袋で折檻するときのあの怒りとやるせない感じ。そのあと息子を蔵に引っ立てていくときのコミカルさ。

すーごーすーぎー!

ああでも残念だったのは、補助席がちょっといい、でもパイプ椅子だったのでお尻が痛かった…今度見る時はこんな混んでない日に見たい。
周囲の話を聴くと、どうもこんな人が入ってるのは異例らしい。
でもいいことだと思うよー!
あと、私のような右も左もわからぬ超弩級の方向音痴には、駅からどう出ればいいのかとてもわかりやすくてありがたかった。

鏡割りもありましたが、人の多さに断念。
とにかくめちゃくちゃ楽しかったですv派手で綺麗で。
能みたいにわかりづらいところが本当に少なかったし、泣けるし笑えるし。
笑いどころがあるのは、関西だからなのかしら?
歌舞伎も笑いどころってあるの?今のところ歌舞伎には興味ないんですが…


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