時々管理日誌
時々だけ書く管理人の日誌です。
サイト運営や創作について、日々の雑感など。

2008年03月16日(日) 覆面自作語り2&読書メモ

・後半の展開と結末について。

後半の展開については、これも後書きにも書いたけど、本当に賛否両論だったんですが、私の中では、このお話は、最初からこの結末とセットで思い浮かんでいたので、他の結末というのは、全く考えても見なかったです。

私にとって、お話というのは、地面に埋まってる化石みたいなものです。
お話は最初から決まった形で土の中に埋まっていて、私はただ、それを掘り当てるだけ、みたいな。
中に埋まっていて一部しか見えていない時は、全体がどんな形をしているのか分からないことも多いのですが、だからといって、私がどんな風にでも好きな形に造形できるかというとそうでもなく、ただ埋まっていて見えないだけで、本当は、土の下で、最初から形は決まっているのです。
全体が一気に掘り出されることもあれば、下のほうから先に出てくることも、上のほうだけ見つかって、下半分がなかなかみつからないことも、いろんな出土パターンがあるけど。

前回の『夢売りの話』の場合は、冒頭だけは何年も前から土の中から顔を出してたけど下の方がなかなか見つからなくて、その、土に隠れてるどんな形かと予想してみた時には、どうも自分に納得のいく形はしていないんじゃないかという気がしていたけど、時期を待つうちに、ちゃんと下半分が出てきて、それを見たら「そうか、これは最初からこういう形だったんだ! 私がそれを知らなかっただけなんだ!」と納得がいった感じ。

で、今回のお話は、その逆に、どちらかというと、結末部分が先に土の中から顔を出していて、残りを後から掘り出した感じです。
この結末に至るためには過去に何があったのかと探ってゆくうちに、前半部分の細部が炙り出されてきたのです。

だから、自分ではこの結末が当たり前だと思っていたので、いろんな感想に触れて、とても興味深く、面白かったです。

中には、何も起こらないで一生もやもやを抱えたまま生きていくほうが怖かったという意見もあって、なるほどと思いました。
たしかに、ある意味、あのホラーな結末は、美由紀にとっては救済かもしれないなあ、と。
罰を受けることで、赦されてしまう。
空ちゃんは美由紀をぜんぜん恨んでなんかいなくて、天使の姿(腐ってるけど(笑))で迎えに来てくれて、しかも、彼女の生前の希望通りに遊びに行ってあげるんだから、罪滅ぼしも出来ちゃう。
そういう意味では、確かに救済ですね。


話は変わって、読書メモ。
『ヴィシュバノール変異譚 影ぬすびとの章 木の音色の章』『幻狼 神異記1』『彩雲国物語 隣の百合は白』『No.6』『光の狩り手』
あと何か読んだ気がするけど忘れた……。


 < 過去  INDEX  未来 >


冬木洋子 [HOMEPAGE]