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■ パパ虎追放
いやしかし、ここへきて舌が長いんだか短いんだか、晴信兄ちゃんの口元が気になります;サ行の発音がちょっとなあ……。
「あのような猛々しい武将を、このワシが育てたのじゃ!」
疎外してきたにも関わらず、逞しく成長した息子に対する脅威を押し隠すための方便でしょうけれど、せめてそう思わなければ、パパはあそこに座り込んだまま立ち上がれなかったんでしょうね。 どんなに自分に非があっても、それを認めないことが潔いと思ってる人は案外多いものです。
とはいえ、パパの気持ちには同情する点もあります。 親ってゆーのはね、大人だから、あるいは子どもを産んだ責任があるから親になるんじゃないの。育てているうちにだんだん”親になっていく”もんなのですよ。
極端な話、愛は無いけど衣食住は事足りてるって状況なら、親としてはとりあえず合格になっちゃうのね。
だけどそんな育て方をしていれば、やがてはパパ虎のように子どもから手痛いしっぺ返しがきます。そのとき初めて己の愚かさに気づいても、後悔が押し寄せても、結果が出ていればいいのだとはねつける必要があります。何故なら、今までの育て方を親が否定し謝罪でもしようものなら、子どもを更に傷つけてしまうからです。
悪者は最後まで悪者であることを引き受け、子どもの親に対する糾弾の正当性を立ててやらねばならない――それが究極の親の責任ではないかと、あたしは思います。
パパ虎が、果たしてどんな思いでその後を生きたか分かりませんが、親子という呪縛を解かれてやっと、息子を客観的に評価できるようになったんじゃないかと。そうあって欲しいと願います。
2007年03月18日(日)
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